【目次】
- セールスライティングとは?
- 才能がないほど稼げる、特異な世界
- 初めてのダイレクトマーケティング体験
- マーケティングとは?
- ブランディングとは
- マーケティングとブランディングの違い
- 人工知能(AI)や機械に絶対奪われないスキル
- フリーランスWebデザイナーという職業が無くなる理由
- 消える職業と生まれる職業
- コンテンツマーケティング
- コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違い
- ECサイトのコンテンツマーケティング
- 単なるお役立ち記事では不十分!成果につながるコンテンツマーケティングとは?
- コンテンツマーケティングの成功の秘訣はコミットメント
- インテリジェントコンテンツとはどんな考え方か?
- コンテンツマーケティングで役立つペルソナ設定
- 読者の期待に応じたコンテンツの作り分け
【セールスライティングとは?】
セールスライティングとは、要するに、「商品やサービスを販売するための文章を書くこと」です。
そして、ポジショニングとは、消費者の頭の中に商品を位置づける=ポジショニングという行為である。
現在、うたわれているセールスライティングとは商品を売ることに特化したライティングである。
あなたが新聞や雑誌、多くのテレビコマーシャルで見かける広告は、「代理店」のセールスライターが書いたものです。簡潔で、気が利いていて、ユーモラスなものもありますが、この種のコピーには「行動を促す」要素がない場合が多いのです。
セールスライティングは、人にサイフを開かせ、現金を取り出させて購入させるための広告です。
来週でも、明日でもなく、“今すぐ買わせる”のです。
これは、とりわけセールスライティングのライターにとって、大きな違いをもたらす重要ポイントです。
名声や栄光を得るのが「代理店」のライターだとすれば、人のサイフを開かせる「セールスライティング」のライターが得るのは、現金収入です。
そんなライティングをコンスタントに続けることができれば、マーケターが、広告やセールスレター、インターネット広告などを書いてくれと、あなたの元に殺到します。そしてあなたに書いてもらうために、目の前に大金をちらつかせます。
売ってほしいと依頼される商品やサービスは、なんでもありで、新しい運動器具などの最新グッズかもしれませんし、セックスマニュアルや異性にモテるための本かもしれません。あるいは、お金持ちになるとか、健康になる、お金をかけないで旅をする、減量する、といったノウハウを紹介するニュースレターの可能性もあります。
何の依頼であれ、あなたがここで学ぶ種類のライティングの第一目的は、売る商品やサービスに対して見込み客を夢中にさせ、すぐにその場で買わせることです。
この手のセールス――セールスライティングは、ラジオ、印刷、テレビなどの媒体でも行われていますが、なんといっても一番効果的な媒体は、郵便またはインターネットです。
このプログラムがお手本とするような優れたダイレクトメールには、さまざまな形態があります。それは、4ページの手紙や、32ページに及ぶ商品説明、あるいは100ページの小冊子かもしれませんし、単独ページのインターネット販売サイトや数ページのウェブサイトかもしれません。
どんな形態であるにせよ、セールスライティング・マーケティングは、人々のとても基本的ないくつかの感情に訴えかけるものです。その感情とはたとえば、
不安と願望です。
これは、セールスライティングの世界では、とても強力な味方です。そして、
プライド、欲望、羨望
にも、同じことが言えます。
また、マーケティングの世界では、何かを失う「不安」――たとえば、お金、自由、友人、幸せなどを失うことです――は、とても強力な味方になり得ます。
また、「願望」――もっとお金持ちになりたい、もっと成功したい、もっと幸せになりたい、もっと安心して暮らしたい、もっと自由になりたいといった欲求――も同様です(あなたがプログラムを終了するまでには、販売の決め手となる、見込み客のこの感情を動かす「ホットボタン」をすべて習得できています)。
貧しい本格派ライターか裕福なセールスライターか
要するに、セールスライティングとは、この商品を買いさえすれば、生活がもっとずっと充実しますよ、と見込み客の感情に強く訴えるものなのです。
100人中1人か2人を説得できれば、あなたは、地球上に存在するライターの99.9%よりも“良い暮らし”ができます。
ただ、0.1%のライターになれないのには理由があります。
それは、セールスライティングの原稿を書いても、
商品の位置づけが甘い=ポジショニングが出来ていない場合が圧倒的に多いのです。
ポジショニングとは、「消費者の頭に既にあるイメージを操作し、それを商品に結びつける」ということである。
ポジショニングがそのウリ(USP)になるのである。
人は、大量の情報が押し寄せると、本能的にそれを拒絶して押しのけようとする。つまり、一般に人の頭脳と言うものは、過去に得た知識や経験に合致したモノしか受け付けない。
つまり、どんなに新しい広告を考え出しても、人の頭脳に入り込むポジションが無いモノは聞き流されてしまうということである。
逆に言えば、流行したセールスライティングは、聞き慣れないような斬新な文章・単語の羅列ではなく、判り易い、シンプルな言い回しによる単語・文書がヒットしている。
これは、消費者の頭の中にポジショニングが出来上がっていたから流行したのです。
人の頭脳にポジションを取れるライターが0.1%のトップライターの仲間に入るのです。
では、トップライターの良い暮らしとはどの程度のことが可能になるのでしょうか? その現状を見てみましょう。
新聞や雑誌などに寄稿している専業のフリーランスライターが年に約250万円も稼げば良い方だというのは、言わずと知れた事実です。スタッフライターもだいたい同じようなもので、初任給は1年間で250万~300万円程度。もし、10年か20年続けて、その職種のトップに上り詰めることができたとしても、年収はせいぜい400万~500万でしょう。
また、本や短編小説、詩、脚本などを書くなら、趣味としてやることをお勧めします。小説家の平均年収は?ゼロも多いのが現実です。やっとの思いで出版がかなったとして大ヒットに恵まれ、人並みの生計を立てられる作家は、100万人に1人なのです。
それに比べ、テクニカルあるいはビジネスライターは、まずまずの収入(450万~500万)ですが、かなり退屈で煩雑な仕事です。
広告代理店の仕事は華々しく見えますが、それはあなたが1万人に1人の確率でその仕事に“ありつけたら”の話で、もしそれがかなったとしても、広告業界の激しい競争の中で、花形でいられる時期は非常に限られています。しかもあなたの勤める代理店が大きなクライアントを1社失えば、あなたの仕事もなくなるのが常で非常にリスキーな仕事と言えます。
しかし、セールスライティングのマーケティングは、
いったん実力が認められれば、収入に上限はありません。そして、いつ、どこで、どのように働くかも、“あなたの自由”というまったく違う世界です。
この生活を得るには、セールスライティングとポジショニングの技術を如何に身に付けるかに掛かっています。
【才能がないほど稼げる、特異な世界】
セールスライティングのマーケティングの世界では、才能がないほど成功する。ここが皮肉な点です。才能がなくても成功する、つまり稼げる業界というのは、私が知る限りほかにはありません!
つまり、小説を書くのは、恐ろしく精緻な芸術的作業で少なくとも普通の人にとっては難しすぎます。また、さまざまな文学的テクニックを知っていなければなりませんし、それらを重層的なストーリーに織り込んでいく方法をわかっていなければなりません。現実味のある会話を書き、登場人物を創り上げ、さまざまな表現技法を使えなければなりません。
つまり、優れた文学作品を書くには、かなりの量の勉強や時間が必要な上に、類まれな才能をも要するということです。
新聞や雑誌に記事を書くライターでさえ、広い分野にわたるかなりの知識が必要ですし、特有の文体で書ける能力が必要です。実際最近では、主要新聞社で仕事を得ること自体が狭き門で、それ相応の学位や職歴ばかりか、週にわずかな金額のお金を稼ぐために奴隷のように働く覚悟が必要です。
一方、セールスライティング用のコピーを書くのに、そのような才能は要りません。いくつかのシンプルな秘訣を理解し、普通の人が話すような文体で文章を書くことができ、そうしたスキルを磨いていこうという意気込みだけで十分です。この3つが揃えば、成功の可能性は大なのです。
実力がついて、自分の売るものをコンスタントに人に買わせることができるようになれば(自分のアイデアを「売り込む」という行為は、あなたが日常的に妻や友人や同僚に対してやっていることです)、「本格的な」ライターが一生かかって稼ぐ収入のさらに上を行く額を1年で稼げるようになるでしょう。難関の学位も、最前線で「戦い抜く」覚悟も、長年苦労して職を得る必要もありませんし、新世代の巨匠として、どこかの出版社の目に留まってほしい……などと願う必要もありません。
あなたの成功は、ひとえに、何人の人があなたのコピーに反応するかにかかっています。あなたの書いたものが、「文学的には悪文」だったとしても、十分な数の顧客にサイフを開かせたりクレジットカードを出させたりすれば、あなたの勝ちなのです。
優秀なライターは、一生仕事に困らない
あなたのもとには、「ぜひうちの商品のセールスレターを書いてほしい」という依頼が殺到します。あなたが書けば確実に儲かるので、彼らにとって、あなたは映画業界で言う「ドル箱スター」のような存在だからです。あなたは、セールスライティング界の確実に利益をもたらしてくれるスターなのです。
セールスライターとして成功すれば、自分の希望額を言えるようになります。
ともかく、売れるレターを書ければ、一生仕事に困らないということです。
セールスライターは「自由」
しかし、セールスライターになる一番のメリットは、私が思うに、やはり「自由」ではないでしょうか。プロのセールスライティングのセールスライターになれば、高収入を得られるばかりか、世界のどこにいても、また、いつでも自分の気の向いたときに仕事ができるのです。
夜更かしの方が性に合っている人なら、夜に仕事をして、昼間を自由時間にあてることができますし、逆に私のように、早起きの方が得意ならば、朝6時に書き始めて午後の早い時間に終えればいいのです。残りの時間は好きなように使えます。ゴルフでも、テニスでも、子どもと一緒に遊ぶのも、買い物でも、とにかく好きなことをしていいのです。あなたの行動を監視する上司もいないし、タイムカードもありません。
それほど自由時間が必要ではないという人なら、“普通に勤務するのと同じくらい”フルタイムで働いて、普通のライターの2倍稼ぐという選択もできます。
また、何件かのヒットが出れば、それをはるかに上回る額を稼げるでしょう
プロのセールスライターになれば、高収入を得られるばかりか、世界のどこにいても、また、いつでも自分の気の向いたときに仕事ができるのです。
世界のどこにいても仕事ができる
もし、誰かに「世界のどこに住んでいても、好きなだけ旅行していても、得たいだけの収入が得られる!」と言われたらどうでしょう。あなたも自分がそんな状況になったら、と夢見ることがあるのではないでしょうか。人里離れた山中の山小屋に住んでみたいとか、マンハッタンやロンドン、パリなどのアパートで刺激的な生活を送りたいとか……。
それは夢物語ではありません。私が言いたいのは、セールスライターになれば、どこでも好きなところに住みながら、あるいは世界を旅しながらでも、豊かな生活を送ることができるということです。
私は、家業が米屋でした。小さい頃から休日なしで働き続けました。学生時代も休みなどありません。50歳で、一切米屋の商売を辞めて、セールスライティングを商売として始めると、好きな時に原稿を書いておけば遊ぶのは自由になりました。好きなときにゴルフができるし、いつでも好きな場所に遊びに行けるようになりました。
セールスライティングの商売を始めて、1年あまりでそんな夢のような生活をするようになりました。
私には経済的にも時間的にも可能なのですから。
このように、セールスライターはどこでも好きなところで仕事と生活ができるのです。電話と頼りになるノートパソコンさえあれば。
私と同様、あなたもセールスライティングの仕事に、大きなやりがいを見出せるはずです。経済的な成果だけでなく、知的なやりがいも十分にあるからです。挑戦のしがいがあり、クリエイティブで、楽しい仕事です。多岐にわたって膨大な知識が得られ、さまざまな世界の良いとこ取りをしているようなものです。この新しいキャリアをあなたが踏み出したことを、あらためて祝福させてください。
世界一の仕事を楽しむための第一歩
このプログラムに申し込んだ時点で、あなたは、私が世界一だと思っている仕事を楽しむための重要な第一歩を踏み出しました。
次のステップは、このプログラムで学ぶコツをあなたに消化していただくことです。それには、プログラムのセクションをすべてきちんと順番通りに読んでいただくことが重要です。
なぜなら、すべてのセクションが、次のセクションの土台となっているからです。飛ばして前に進むと、前のセクションで出てきた重要なスキルを習得しそこなって、完璧な成果を得られないことになります。このプログラムの構成にはそれなりの理由があります。あなたには即座にコピーが書けるようになってほしいので、一番の早道を選びましたが、その分、密度も濃くなっています。
あなたには即座にコピーが書けるようになってほしいので、一番の早道を選びましたが、その分、密度も濃くなっています。
初めてでもすぐに書けるようになるプログラム
では、プログラムの概要を説明します。第1章から第2章までは、結果を出せるセールスライターになるために必要なもの(と必要でないもの)を説明しています。
ここでセールスライターとして活躍するための「土台作り」をしましょう。セールスライティングのキャリアを積んでいくためのノウハウや、初めてセールスレターを書く前に知っておくべき重要な秘訣を伝授します。
第3章から第9章までは、セールスライティングのすべてが集約されていて、あなたが目的をかなえられるように、誰もが知りたがるテクニックを紹介しています。これらの秘訣を使えば、DMの反応率が数十%向上することが実証済みなので、あなたが業界の精鋭の仲間入りを果たす後押しをしてくれるでしょう。
【初めてのダイレクトマーケティング体験】
ダイレクトマーケティングというのは、マーケティングの手法の1つです。ダイレクトマーケティングには、ほかの種類のマーケティングとは異なる特徴が2つあります。
第1に、代理店などの中間業者を通さず、メッセージを消費者に直接伝える点です。(ダイレクトメール、Eメール、テレマーケティングなどの)通信手段を使って、消費者や企業に商用目的で、通常は一方的に連絡を取ります。
第2の特徴は、買わせるための「コール・トゥ・アクション」(訳注:具体的な行動の呼びかけ)が入っている点です。この種のダイレクトマーケティングは、媒体が何であれ、消費者の肯定的(否定的なものは無視)な反応が追跡可能、測定可能であることに主眼が置かれています。ダイレクトマーケティングは、洗練された技術が必要な難しい商売で、高度な判断力と、売れるものを見極める直感、そして多大な努力を要します。
セールスライターの卵が、大きく成長するとき
この答えは簡単。もしあなたにこうした手紙が書ければ、多くの利益を得ることができるという意味です。
もし、あなたが売り上げの一部を得ることになっていれば(ロールアウトで得られた売り上げの一部をセールスライターにロイヤルティ(印税・使用料などの対価)として支払う会社もあります)、さらに収入は上がります。クライアントは、あなたのレターによってお金を稼げるのですから、あなたに喜んでお金を支払うでしょう。
そればかりか貴方を他の業者に渡したくなくなるでしょう。
次回からの単価はうなぎ登りになります。
では、どのようにして稼げるセールスライターになり得たのでしょうか?
死んでも成功したい!という願望があるか
正直な話、半分は、死んでもでも成功したいという願望、そしてもう半分は、その過程で学んだ秘訣のおかげです。
なぜセールスライターがそんなに稼げるのか?
仮に、あなたがセールスライターではなく、ダイレクトマーケティングの編集者として、お茶を飲んで痩せる本を売り込むことにしたとしましょう。あなたは、AとBという、2人のセールスライターを雇い、それぞれ違うセールスレターを書かせて、両方を郵送してみます。郵送までにかかった諸々の費用は、1バージョンにつき100万です。
Aのレターは50万円の売り上げをもたらしました。一方Bの方は、250万円の成果を出しました。
さて、この結果を見て、あなたならどうしますか?
Aにはありがとうと言い、彼のセールスレターはゴミ箱に捨てます。そしてBにはおめでとうと言い、彼のレターをまた使います。今度は25万人の名簿に送り、1000万円の利益が出ます!そして次は、新たに100万人に送り、さらに3000万円を儲けます。
さて、あなたは、今度はコーヒー・ダイエットを売り出そうと考えます。Aが電話をしてきてセールスレターを書かせてくれないかと言ってきていますが、あなたは「悪いが結構だ」と断ります。あなたは、当然ながら、前回4000万円の利益を稼がせてくれたBに依頼します。しかしBに「ありがたいが、私の料金は上がったので、新しいセールスレターを書くなら前金で100万円欲しい」と言われます。
さてあなたはどうしますか?Aに依頼してBには「消え失せろ」と言いますか?それとも文句を言って値切りますか?
もちろんそんなことをしてはいけません。Aの依頼を断わり、Bの労をねぎらった上で、言われた通りの金額を払うでしょう。なぜかと言うと、あなたは、どうしても“彼に”次のレターを書いてほしいからです。
書いたコピーが利益を生み出すかどうか――だから高収入なのです。
お金――マーケターもセールスライターも、基本的な動機はそれに尽きます。セールスライターが高い報酬を得る理由は、頭がいいとか、才能があるとか、仕事がしやすいとか、きれいにタイプするとか、納期を守るとか、そういうことではありません。書いたコピーが利益を生み出すかどうか――だから高収入なのです。
重要なのは、いったん効果的なレターを書くコツをつかんでしまえば、あなたは自分の仕事に対して好きな金額を要求することができ、ダイレクト・マーケターも、喜んでそれを支払うということです。
セールスライターに適正な資質とは?
果たして優秀なセールスライターになれる資質が自分にあるのだろうか?成功するにはどんな長所や能力が必要なのだろうか?
最初は、誰でも同じことを考えます。
以下は、セールスライターで成功するための資質で、この業界で成功するために必要なことを挙げました。
(1)成功したいという意思が一番
セールスライティングで直面する障害の1つは、“売れなければ成功できない”ということです。
セールスライターとして本格的に稼ぐには、自分はライターであるという意識を捨てて、“セールスマンとしての自覚”を持たなければなりません。
- 自分の意見が正しいと説くのは好きだ
- 自分のやり方を貫くのが好きだ。
- たいていは、自分のやり方を貫いている。
これは社会で成功の条件でもあるのです。
自分のやり方でやるのが好きで、自分が正しいことを言葉で人に説得するのが好きならば、すでに、セールスライターとして成功するための主要なスキルがあります。
セールスライターは、ライティングという能力を生かして商品やサービスやアイデアを売るセールスマンで、書き言葉を使って、読み手に行動を起こさせるのです。
自分が正しいことを言葉で人に説得するのが好きならば、すでに、セールスライターとして成功するための主要なスキルが備わっていますし、それだけで売れるコピーの書き方を学ぶセールスパーソンとしての資格は十分です。
(2)文章が上手である必要はまったく“ない”
成果を出すセールスライターに、文章の「うまさ」はまったく関係ありません。文章が上手な人、記者、出版ライターは、売れるセールスレターの何たるかについて何もわかっていません。
マーケティング業界には、それでも、セールスレターを書いて、莫大な収入を得ているのです。
私たちは、想像力で人を楽しませたり、驚かせたりする文章は書いていません。読み手をその気にさせ、読み手に行動させるのです。売るために「会話文」、つまり話をするように書くということです。
話すように書ければ、立派なセールスライターなのです。ただ、偉大なセールスライターになる――つまり高額の報酬を稼ぐには、それ相応の秘訣を知る必要があります。
(3)優れた洞察力を備えること
自分の売ろうとするものが、お茶のダイエットであれ、輸入腕時計であれ、それについて書く前に、商品知識をつけなくてはなりません。長所や、見込み客にどのように役立つかなどを知っておく必要があります。
この車はなぜ速く走れるのか、この飛行機はなぜ高く飛べるのか、このニュースレターはなぜ同じ市場のほかのものに勝るのか、といったことを知らなければなりません。
そしてその情報を相手と共有するために、心の底からの感情を込めて、相手に直接語りかけるように書くのです。
それには、その商品がどのように作られているか、どのように機能するか、どのように役に立つか、どこが優れているか、あるいはユニークなのか、などを調べなくてはなりません。そのために読む作業が必要になります。
それだけではなく、成功した作品を読み込む必要があります。
優れた作品を読めば、自分の仕事の参考になりますし、フレーズを拝借することもできます。ですが何より重要なのは、セールスレターのリズムと構造を体得することができる点です。
こうしたことは、実践して習得する道しかありません。このプログラムの最初の2つのエクササイズで、有名なセールスレターを読んで書き写したり、ほかにも珠玉のレターを何度となく読んでもらう理由なのです。
少なくともセールスライティングの世界での創造性(クリエイティビティ)とは、何もないところから何かを作り出すことではなく、過去に成功したものを参考にして、それらをうまく並べ替え、斬新でパワフルな1つのレターを作り上げることなのです。
山ほどあるセールスレター関係の仕事で、セールスレターのディスプレイ広告(サイト内に埋め込まれた画像形式の広告)、ウェブページなどを書くたびに、毎回新しいものを考案する必要はなく、過去にどのようなものが功を奏したか、それはなぜかを把握し、活用していく必要はあります。
セールスライティングでは、何度も繰り返し成果を上げている定型が存在します。が、ほかのライターの書いたレターを一字一句盗用することは違法行為で大変なことになりますのでは厳禁です。
そうではなくて、アイデアやフレーズを拝借、あるいは「アレンジ」するのです。あなたが上達するにつれ、今度はほかのライターがあなたのアイデアを作り変えて使うでしょう。実は、それも、自分があるレベルに到達したことに気づく指標の1つなのです。
(4)自分の価値は?
どんなに良い商品でも、どんなに良い会社でも、セールスレターなしでは、売り上げは上がりません。セールスレターがあってこそ事業が展開し、キャッシュフローが生まれるのです。
(5)技術の習得には何が必要か?
最後に、技術を習得するにはやる気と努力、そして、稼げる強力なコピーは誰にでも書けることを理解する必要があります。
努力と訓練を重ねる意志さえあれば、誰にでも習得できるスキルとは?
レターの文体と型を意識すること
以下の情報を読んでください。これは学習教材として、あなたに書き写してもらうための有名なDMのレターです。
このレターは、釣りに関するものですが、誰にでも楽しめて理解できる文章になっています。このレターをセールスレターの古典からしめた要素については、講座の後の方でまた詳しく説明します。今は、とりあえずその文体と雰囲気に浸ひたって、楽しみましょう。
何度も言いますが、今は、この種のエクササイズを馬鹿らしく感じるかもしれません。あなたの考えていることは、私にもだいたいわかります。「結構な額を払って申し込んだ講座なのに、ひたすらレターを書き写せとは、いったい……?」と思っていることでしょう。でも、ともかく私の言うことを信じてください。「馬鹿」らしく感じる、このようなエクササイズこそが後で絶大な効果を発揮するのです。
あなたがそれを実感してもしなくても、この練習をしっかりやることによって、優れたセールスライティングの流儀があなたの脳に焼きつけられるのは確かです。いずれあなたが仕事でセールスレターを書くようになったときに、書き写し練習のレターに含まれていた効果的なテクニックの数々が頭に浮かんで、それらを自分のレターに取り入れることが自然とできるようになります。ですから、今はどうか私たちを信じ、辛抱強く実践してください。
【マーケティングとは?】
「マーケティング」と聞いて、何をイメージされますか?
「マーケティング」という言葉は色々な誤解を生みます。「マーケティング」のイメージを聞くと、こんな答えが返ってきます。
- 市場調査(マーケットリサーチのことか?)
- 広告をつくること(マーケティングの一部だが全部ではない)
- POPやカタログを作ること(同上)
などです。定義の問題ですので、「マーケティングはそういうものだ」と定義されるのは別に構わないのですが、ストラテジー&タクティクスはこう考えます。
マーケティングとは?
マーケティングとは、「お客様に価値を提供してお金をいただくこと」、だと。シンプルですね。難しい単語もありません。これだけです。ただ、さすがにこれでは具体性に欠けるので、どういうことか、説明していきましょう。
マーケティングで知っておくべき言葉・概念はそんなに多くありません。
マーケティングの基本用語
- ベネフィット
- 差別化と強み
- セグメンテーションとターゲティング
- 4P
基本用語その1:ベネフィット
お客様があなたの商品を買うのは、商品自体が欲しいのではありません。商品がお客様にもたらす何か良いこと、それを買っているのです。
ドリルを買うのは、ドリルという器具ではなく、穴が欲しい
コーヒーを飲むのは、黒くて苦い液体ではなく、リラックスや眠気覚ましが欲しい
高級車を買うのは、1tの精密機械ではなく、見栄がはりたい
ゴルフクラブを新調するのは、金属の棒が欲しいのではなく、飛距離や良いスコアが欲しい
お客様が欲しい、何か良いこと、問題解決、なのですね。
お客様は、あなたの商品が欲しいわけではなく、自分にとって良いことが欲しい。当たり前のことですが、ついつい忘れがちなことです。
つまり、これが先ほど申し上げた、「お客様に価値を提供してお金をいただく」の、「価値を提供」という部分です。
基本用語その2:差別化と強み
お客様に価値を提供すれば買ってもらえるかというとそうもいきません。その価値を提供しているのはあなただけではないからです。競合が存在します。その競合商品よりも、あなたの商品の方が高い価値を提供し、それをお客様に納得していただく必要があります。
競合商品と全く同じであれば、安い方を買うでしょう。あなたがコストリーダーであればそれでも良いかもしれませんが、これはなかなかきつい話です。価格競争力を持つのは素晴らしいことですが、価格だけで勝負すると、体力勝負になってしまいます。競合商品ではなく、あなたの商品を買う理由、競合商品との違いをお客様に訴える必要があります。
小売店の場合、扱っている商品が競合店と同じこともあるでしょう。それでも、あなたの店から買う理由を納得していただく必要があります。そうでなければ、泥沼の価格競争になり、負けた方は退場、買った方も傷だらけ、となります。
では、何を持って差別化すると言うかと、あなたの会社の強みを使うのです。普通、弱みで差別化することはありませんから、「差別化ポイント=あなたの強み」ということになります。あなたが競合他社より強いところで差別化しようとしなければ、負ける、追いつかれるだけです。
強みが無かったらどうする?
強みが無いことも実は多いのですが、それに対する答えは簡単。
- 探しましょう。無ければ、もう一度探しましょう。
- 作りましょう。競合よりも努力に努力を重ねて作りましょう
ということになります。
どんな強みを作るのか、が戦略次第です。それは、どんなお客様にどんな価値を提供したいのか、自分が得意とすることは何か、などによって変わります。
お客様は正直です。よりお客様にとって便利な方、より役立つ方、よりたくさんの情報を提供してくれる方、より見やすい方、より愛想のよい方、などから買うわけです。それぞれが強みの例です。
強みがない、ということはありません。必ず何かはあるはずです。
強みについては、3つの方向性で考えるといいです。
- 手軽軸:より低価格で、より便利に買いやすくする
- 商品軸:最新の技術の製品、最高のサービスを提供する
- 密着軸:お客様のことをよく知り、望み・わがままをかなえる
通常はこの3つのどれかで差別化することになります。
例えば、美容院の場合
1)手軽軸
安くて早い理容店。例えば、10分1000円のQBハウス
2)商品軸
最新技術・流行を駆使するカリスマ美容師。表参道などの繁華街にある。
3)密着軸
お客様のことをよく知り、おしゃべりもうまく、「いつもと同じね」と言えばいつも通りに切ってくれる
というような差別化戦略になります。個人顧客対象、法人顧客対象を問わず、ほぼ全ての業種・業態でこれは起きています。
ちなみに、ポジショニングという言葉はあえて避けています。色々と誤解を招きやすい言葉です。若干の意味合いは違いますが、マーケティングで言うポジショニングは、「差別化」とほぼ同じ意味ですので、誤解を招きにくい「差別化」という言葉を使いましょう。
では次の基本用語に行きましょう!
基本用語その3:セグメンテーションとターゲティング
あなたの強みがわかったら、または、決まったら、それを評価してくれるお客様はどんな人かを探りましょう。
あなたの強みを評価してくれないお客様を長期的に維持するのは難しいです。もちろん、評価してくれなくても、買っていただければそれでいいのですが、それを頼りにすると、売上が安定しません。そのお客様が評価する強みを提供する顧客に簡単に奪われてしまいます。
あなたの強みが、きめ細やかなサービスなのであれば、それを評価してくれるお客様を定義するのです。
セグメンテーション、というのは、お客様を分けることです。
ターゲティングは、分けたお客様のどれかに絞ることです。
なぜ絞らないといけないのか、というと、絞らなければ絞った競合に負けるからです。私が、全ての会社を対象としたコンサルティングを提供しているとしましょう。競合のコンサルタントさんが、メーカー向けのコンサルティングを提供したら、メーカーさんはそちらに行くでしょう。別のコンサルタントさんが、小売業向けのコンサルティングを提供したら、小売業さんはそちらに行くでしょう。お客様を絞らずに多くのお客様を取ろうとすると、絞ってきた競合に負けるのです。
あなたがある市場を独占していればいいですが、通常は競合(広い意味での競合も含めて)が存在します。ですから、絞るのです。
セグメンテーションとターゲティングは常にセットです。絞らない、狙わないのであれば、分ける(セグメンテーション)必要はありませんし、狙うためには、分けることが必要です。ですから、セグメンテーションとターゲティングは常にセットになります。
セグメンテーションの本質は、ニーズが違うから分ける
ということです。
基本用語その4:4P
具体的にどのように差別化して、どのようにお客様を絞っていくか、という切り口が4Pです。
4Pは、
- Product(製品):売り物の商品・サービス
- Price(価格):値段・価格体系
- Promotion(販促):広告などを含む広い意味での売り方です
- Placement(流通):販路
パソコンを売るのであれば、
製品
・パソコン、パッケージ、など
価格
・値段、どこまで値引きするか、しないか
販促
・テレビコマーシャル、製品カタログ、店頭のPOP、セールストーク、営業パーソンまで含めた売るための仕掛け
販路
・ネット販売、量販店、自社ショップ、などのチャネル
となります。
4Pは、マーケティングの本には金科玉条のごとくに出てきますが、ある意味当たり前のことです。
ポイントは、あなたの強みを、あなたの強みを評価する顧客に訴えられるような4Pはどんなものか、ということです。「高級路線で差別化しよう」と言っても、お客様には何のことかよくわかりません。お客様が目にするのは、製品、価格、POP・広告、店・販路・営業担当者、などです。「差別化」を具体的なものとして、お客様に直接「価値」を提供するものが4Pなのです。
【ブランディングとは】
ブランディング・・・誰もが耳にしたことのある言葉だと思うが、皆さんは「ブランディング」と言われてどんなことを思い浮かべるだろうか。
買い物好きであれば、シャネルやルイ・ヴィトンなどの高級ブランドのロゴマークを、ビジネスマンであれば、自らの会社のブランドマネージャーの顔を思い浮かべるかもしれない。
また、最近話題の”個人”としてのイメージアップであるパーソナルブランディングを連想する場合もあるだろう。
その一方で、”ブランド”や”ブランディング”の本当の意味をしっかりと説明出来る人は少ない。
「ブランディング=ロゴデザイン」と考えるのは実は間違っている。そもそもビジュアル表現自体も、多くのブランディングのごく一部でしかない。
本当の意味でのブランディングサービスでは、その他にも非常に多くの要素が含まれる。
見た目だけではなく、ユーザーに与える総合体験の全てを正しく演出し、価値を作り上げるのがブランディングなのである。
そして、実のところ「ブランディングが重要だ」ということは何となく知っていても、「ブランディングがそもそも何を意味するのか、イメージしにくい」という人も多いのではないだろうか。
「ブランディング」とは
一言で言うと、ブランディングの最終目的は「企業価値を向上させること」である。
「企業価値」とは何だろうか。それは、金銭には換算されない模倣不可能な「見えない価値」のことである。
数字では計りにくいこの価値が実は企業の差別化要素となり、競争で優位に立つことで長期的に成功するためには欠かせない重要な資産となるのだ。
企業にとってこの資産は有形/無形財産とは関係なく、消費者の”心”にイメージとして蓄積されて行く。
企業ブランディングとは、まさにこの目に見えない企業資産を創造することである。また、パーソナルブランディングに於いても、その個人の資産となる。
我々が普段の生活を通して何気なく思っていること、そしてその潜在イメージに基づく行動が、企業にとって極めて重要な資産となっているのである。
逆にブランド価値が低い競合が同じような商品やキャンペーンを行ったとしても、それほど消費者の行動に響か無い可能性が高い。
人々の心に宿る資産がブランド力である。(これらの資産の集合が、「ブランド・エクイティ」と呼ばれる)
ブランディングは、企業が長期的に競争で生き残っていくために欠かせない総合価値がもたらすメリットを他方向の企業活動に対し提供するもので、
その意味では「製品・サービスをどうやって売るか」という側面の強いマーケティングよりも、階層が一つ上にあると言える。
なぜ私たちはブランディングに力を入れるべきなのか
ブランディング構築を無視する?
覚えておかなければ行けないのは、ブランディングは短期で効果が表れてくるものではない、ということである。
また、広告や流通のコストが高く、どこに行っても数えきれないほどのブランドで溢れかえっている今、ブランドを確立することが非常に困難なのは事実である。
しかし、そこでブランド構築を無視し、顧客のロイヤルティを獲得できなかった場合、企業はいわば「その日暮らし」的なプロモーション、つまり価格切下げに頼らざるを得なくなる。
価格切下げによるプロモーションが行われ、それがサイクル化してしまうと、もはやその流れは止められない。
顧客も取引先もそのサイクルを覚え、「セールになるまで買うのはよそう」「どうせまた安くなる」など、そのサイクルに合わせて購買を決めてしまうからだ。
ブランディングの効果
多くの企業が、かなりの予算と時間を費やしてブランディングに取り組んでいることと思うが、見えない価値であるだけに効果が図りにくいというところが難点である。
しかしながら、ブランディングが企業に大きなメリットをもたらすことは証明されてきている。
果たしてどういう点が「ブランディングの効果」として考えられるか?次の3点が挙げられるのではないだろうか。
収益アップ
消費者心理としては、そのブランドを身につける事で、自分自身もその多少也ともブランド力を手に入れられると感じるからである。
また、ブランディングを非常に高いレベルまで昇華する事で、商品及びサービス力を独り勝ちレベルまでに高める事も可能だ。
例えば、パソコンは、Mac、携帯はiPhone、音楽はiPod、Apple製品しか買う気にならないという消費者もいる。
そのような人々の多くが、Apple製品の商品力と同時に、ブランドに対する絶大なる信頼“Appleであれば大丈夫”といった思いがあり、競合の付け入るすきは無く、そこには価格競争は存在しない。
このように、名前が認知され、顧客のロイヤルティが高まるにつれ、収益の継続的な安定・増加が期待できる。収益が増加する理由については、以下のことがあるだろう。
- 顧客の「継続的な購買の動機付け」ができる(ブランドに対する好意・信頼の獲得、スイッチングコストの発生など)
- 似たような商品、サービスであったとしても、競合との差別化ができる
- ワンアンドオンリーの存在になる事で、価格維持あるいはプレミアム価格が期待できる(値崩れもしにくい)
実に多くの場面で、ブランド力は収益アップに直結した効果を発揮する。よくブランディングとマーケティングを勘違いされる方がいるが、基本的にはブランディングは商品やサービスの単価に対し、マーケティングは顧客へのリーチに影響を与える。
支出の削減
その企業や人間のブランド力は取引交渉における優位性に大きく関連する。
今度は買う方の立場になった場合のメリット。ビジネスでの取引の場においてもブランド力は支出を抑える為に一役を買う。
これは、そのプロジェクト自体がそのデザイン会社にとってはとても良い実績になるので、多少悪い条件でも請負いたい仕事であるからだ。
このようにブランド力を高める事で、支出の面でも優位に交渉を進める事が出来き、利益向上にもつながる。また、場合によっては無料で商品やサービスを獲得する事が出来る場合もある。
優秀な人材の獲得
実は、高いブランドの効果がもっとも発揮されるのが、人材の獲得シーンであると思う。
日本の就職活動をイメージすると理解しやすいのかもしれない。今でも多くの就活生は名前が広く知られている企業や、いわゆる「大企業」に惹かれる傾向がどうしてもある。
人気が高い企業になる事で自ずと優秀な人材からの応募も増える。そして応募を動機として、それらの企業のブランドイメージ・ネームバリューが大きな役割を果たす。
やはり就職した後に、周りに自慢したい会社で働きたいと思うのは人情である。
「価値が高いと思われている企業で働きたい」という心情は、「あのブランドバッグを手に入れたい」「あのブランド車に乗りたい」などという心情と、どことなく似通っている。その企業に属するということが、彼らに満足を与えているのだ。また、一度就職した後も、ブランド力の高い会社で働き続けたい、この会社の名刺を持っている事が誇りである、この社名を出すと合コンで持てる等、それぞれの場面で会社のブランド力が実力を発揮し離職率を下げる。
企業からしてみると、同じコストをかけてもより優秀な人材を獲得・意地する事が出来るブランド力には大きな魅力がある。
【マーケティングとブランディングの違い】
マーケティングとブランディング、この違いをはっきりと説明出来る人は意外と少ない。ブランディングとマーケティングは根本的に違うが、混合されるケースもある。アメリカでは、国土が広い事もあり、簡単に営業活動を行う事が出来ない。そこで重要になってくるのが、マーケティングであり、ブランディングである。
市場を作り、広げ、認知度向上を計るのがマーケティングの役割だとしたら、それらのイメージアップを行うのがブランディングである。一言で簡単に説明するとそうなるが、具体的な事例に当てはめてみると、その両方を兼ね備えたキャンペーンだったり、施策があり、意外と混合しやすい。
それでは、極単純に一般的な概念で考えてみた場合の、マーケティングとブランディングの役割、そしてその効果を説明する。出来るだけ簡単に分かる安くする為に、ここではあえてビジネスではなく、人間同士のやり取りを例としてあげる。そうする事で、より日常生活でのイメージが湧きやすくなる。
情報を配信する側が直接伝えるメッセージと、受け取った側が自主的に感じるイメージの差が、マーケティングとブランディングの違いを説明している。
- マーケティング–自分から自分のイメージを相手に伝える努力
- ブランディング–相手に自分のイメージを持ってもらう努力
広告とPRの役割を含めて考えてみよう。広告はマーケティング施策の一つと考えられるが、より消費者へのメッセージ性が強い。従って場合によっては”ノイズ”として見なされるケースも少なくは無い。あまりに直接的に伝えすぎると受け取る側が引いてしまうという事態になる。
そこで、もう少し間接的で信頼を得やすい方法として、PR(広報活動)がある。PRとはPublic Relationsの略で、メディアやニュース等を通じて、第三者から消費者に届くような情報やメッセージを配信してもらう施策である。信頼出来る情報源からの情報であれば、より信頼してもらいやすいという事である。
ブランディング役割とその効果
ブランディングは企業価値向上に直接関わる。そして、ここでいう企業価値とは、金銭や数値では簡単にはあらわしずらい、模倣不可能なものである。例えば、新型のiPhoneをスペックをあまり見ないでも無条件に予約したり、海外旅行にいってもなぜかマクドナルドに行ってしまうなどである。
こうした目に見えない、消費者の心にイメージとして蓄積されていくもの、心理的な企業価値がブランドであり、企業イメージやプロダクトに付加価値を加えることで、消費者に対してその認識価値を上げることがブランディングの役割となる。そして、ブランディングが強い企業では、割引どころか常にプレミアム価格にて顧客の継続低な購買の動機付けが行える。例)高くてもヴィトンの限定財布を買っても良いと考える。
CMにおける芸能人の役割
ではどのように企業がブランドイメージを構築していくのだろうか?
アメリカでは多くの場合、その企業が持っているフィロソフィーや、商品が表現するビジョン等を表現する事が多い。例えばNikeのCMであれば、商品よりもアスリート、マイケル・ジョーダンやタイガー・ウッズにフォーカスされているのも、ブランディングを重視しているからであろう。
一方、日本では、例えばテレビCMで芸能人が用いられているのが一般的であるが、これは世界的に見てもかなりユニークな特徴であり、その企業が達成したいイメージに合った芸能人を起用する事で、外部の力を借りてブランド構築を行う、ブランドアソシエーションという戦略である。
マーケティングの役割とその効果
ブランディングが企業価値を向上させることを目的とし、企業の存在意義を定義するWhatの部分を担う一方で、マーケティングの役割は、企業の価値(商品やサービス)をどのように伝えるのかというHowの部分である。
言い換えると、マーケティングは顧客へのリーチに直接関わるプロセスであり、決して本来のプロダクト自体の価値に影響を与えることなく、そのプロダクトをどうやって見せるか、どうやって顧客まで届けるか、どうやって潜在顧客を増やすかといった”部分にフォーカスしたものである。
そもそもマーケティングという言葉は、「Market(市場)」を動名詞化したものから来ている通り、”市場を開拓する”、”市場を作る”といった意味合いを自然と持つ。
優れた製品や、企業の魅力をより多くのターゲット層に届けるのがマーケティングの役割であり、ヘンリー・フォードの名言”もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、我々は今頃速い馬車を作っていただろう”からもわかるように、もし既存の市場が無いのであれば、顧客のニーズを喚起し、新たな市場を作り出す事も可能である。
(1980年代前半)にSONYをはじめとした多くの日本企業が世界的にも優れたブランディングがされていたが、30年以上たった今、残念ながら日本発のブランドはその当時ほどのプレゼンスは無い。
これは多くの日本企業が守りに入り,人々の注目を集め、心に響くようなブランディング戦略が取れていないことも一つの理由で、加えて、それぞれの市場にふさわしいマーケティング施策も必要になのに、日本国内で上手くいっている方法でも、海外ではあまり効果が生まれていないケースも少なくは無い。
実際に、海外ではクライアントに対して海外向けの施策を行う際には、国内向けとは全く異なるブランディング戦略とマーケティング施策を取る事が多い。心響くメッセージを世界の人々にとどけるには、ユニークなストーリーを元に、ソーシャルメディアや動画、イベント、デジタルマーケティング等を活用した施策を継続的に行う必要性がある。
【人工知能(AI)や機械に絶対奪われないスキル】
現在の人工知能(AI)や機械の進化の状況
海外旅行の為に羽田空港に行ったところ、キヨスク型のチェックイン機に加えチェックインカウンターでも自動的に荷物が預けられるようになっていた。今までは係員のお姉さんがタグを付けてくれたりしていたのが、係員がいなくても全て専用の機械を通じて自動的に処理がされる仕組み。
てっきりこれまで通りチェックインは機械でも、荷物を預けるのは人間が行ってくれると思い込んでいた事もあり、このシステムにはかなり衝撃を受けた。実は、海外の空港なんかはまだまだアナログな所が多い。
人工知能やロボティックスなどと聞くと、サンフランシスコやシリコンバレーを中心とした海外で研究が進められ、少しずつ実用に向けてのプロダクト開発が進んでいるイメージがあるが、実際に既に日本国内でも自動化テクノロジーの実用化が進んでいる一つの例である。
実は似たような事がアメリカのとあるコンビニでもおこっている。AアマゾンGOと呼ばれるオシャレなコンビニでは、これまで店員さんが行っていたレジ清算を、ロボットが提供している。例えば、入り口でスマホをタッチして店内に入ると、並べてある商品、食品、ドリンクからバスタオルやシャンプー等何でも好きなものを取り、そのまま清算せずに店外にでる。出口でのセンサーでスマホアプリでの自動精算で支払いは完了する。
このように、テクノロジーの発展によりこれまでは人間が行っていた作業がどんどん機械やロボットに代わられている事例が既に国内外で幾つか存在している。作業の効率化や人件費を削減する為に、業務の自動化は今後もどんどん進んで行くだろう。
でもよく考えてみるとこれは最近始まった事ではない。古くは洗濯板を使って人力で行っていた洗濯が、洗濯機の出現により自動化されたのも同じコンセプトである。特に難しいテクノロジーが搭載されていなくても、別にロボットの形をしていなくても、それまでは人間が行っていた作業が機械が自動的に行う事により、効率アップやコストの削減を実現する事が可能になる。
今後はこれらの例に加え、自動車、ヘルスケア、農業、介護、金融などの領域にも自動化の波が訪れると考えられている。我々の日常生活でも、まだロボットの形すらしていないが、カレンダーアプリによるリマインダー機能やSiriのような機械型アシスタント、自動翻訳なども、テクノロジーの進化による機械化の一つの姿である。
同時に、最近では人工知能(AI)技術の急速な進化によって、さまざまな技術革新が起こると期待されている反面、あまりの急激な進化の速度のため、AIによって現在あるさまざまな職業が奪われるなどのAI脅威論も叫ばれている。
20年後にあなたの職業が存在している可能性
人工知能(AI)、ディープラーニング、ロボティックス、自動化などのテクノロジーが今後速いスピードで発達して行く中で、アメリカの調査期間が既存の職業の20年後における生存率を割り出した調査データがある。その結果による職業と20年後に機械に奪われる可能性に関する調査結果を幾つか紹介すると・・・
現在の職業が20年後に機械に奪われる可能性:
- プログラマー:48.1%
- ソフトウェアエンジニア:4.2%
- 家政婦:68.8%
- ウェイター/ウェイトレス:93.7%
- バーテン:76.8%
- 調理師:96.3%
- シェフ:10.1%
- 経理:97.6%
- 経理部長:6.9%
これをみてもわかる通り、その仕事内容によって20年後もその職業が存在するかどうかが大きく異なる。例えば、機械化率96.3%の調理師と93.7%のウェイターが示すのは、20年後の世の中の多くのレストランが全自動になっていると言う事である。その一方で、メニューを考案したり、調理方法を決めるシェフは自動化される可能性が低い。
同じく単純作業が仕事の経理の仕事は97.6%の確率で機械に奪われると予想されているのに対し、経理部長という人とのコミュニケーションを必要とされるマネージャー職を機械が行える可能性は7%も無い。これは、人間だからこそ出来るタイプの仕事だからであろう。
ユーザーの立場に立って設計や仕様決めを行うソフトウェアエンジニアの仕事はほぼ機械に奪われる可能性が無い(4.2%)に対して,ある程度単純作業となるプログラマーの仕事は50%弱の可能性で今後自動化が進む。
自動化に関するテクノロジーが進む事で無くなる仕事があると同時に、新しい仕事も生み出されると予測される。
マッキンゼーの調査によると、新たに創出される仕事の7割は「人間的な仕事」が占めている。つまり、直感的な意思決定、創造的な成果、芸術的なデザイン、顧客や取引先との複雑な交渉。企業にとって多くの価値創造は人間にしかできない仕事によって支えられている。
機械や人工知能にも奪われない3つのスキル
では、どのようなスキルを身につければこれからも人工知能等の機械に仕事を奪われないのであろうか。現在の企業内での仕事内容は、管理された組織の中で正しい答えに辿り着く為の正確な単純作業や、精密な作業が求められて来たタスクが多く存在する。
しかし、そのような仕事は上記のデータを見ても分かる通り、近い将来ほぼ確実に賃金の安い地域にアウトソースされるか、機械にとってかわられることで消滅してしまう可能性が非常に高い。
その一方で、これから紹介する3つのスキルはどれだけテクノロジーが進化しても人間にしか出来ない内容であると思う。
クリエイティブ
0から1を作り出す事。これは機械には出来ない。AIは過去のデータを元に未来を予測する事は出来るが、全く新しいものを作り出すのは人間にしか出来ない。デザイナーやエンジニア等のクリエイティブな仕事はこれからもどんどん必要とされていく一方であろう。
リーダーシップ
優れたビジョンを掲げ、卓越したコミニュケーション能力で人々を導いて行く存在。人間との心の通じたやりとりができるそのスキルは自動化が進む現代こそ一層求められている。人間がロボットのリーダーに従って心が一つになる時代は恐らくしばらくは来ないだろう。
起業家
機械は基本的には起業しないし、むしろ絶対にしないだろう。交渉力、ビジネスセンス、問題解決能力が求められるのが起業的スキルであり、その点においてはテクノロジーがどんなに進化しても、新しいプロダクトやビジネスを通じ社会を変えて行く起業家は世の中にとって今後もより一層必要とされるだろう。
日本の教育システムとのギャップ
上記の3つのスキルを身につける事が今後より一層重要になってくると考えられるが、残念ながら現在の日本国内においてそれらを教えている教育機関は極めて少ない。そしてそれらを入試に科している学校は皆無に近いだろう。
この50年の間に、単純作業は機械やコンピュータがこなすようになり、人間は機械のできない「人間的な仕事」を担当するようになった。しかし、日本の教育システムは50年前とほぼ代わらないといっても良く、学校によっては多少の改善はされているものの、政府が定めるカリキュラムはまだまだ時代遅れの感が否めない。
日本の学校で教えているのは、暗記、計算、正確な綴りなど、機械が最も得意とする事柄ばかりで、頑張って高得点を稼ぐ優等生は、暗記、計算、単純作業などの”機械っぽい”スキルが身に付いているだけだが、しかし、現在の実社会では答えが無い事の方が多い。むしろ、ほとんどの場合、答えは自分で作り出さなければならない事ばかりである。
私も高校まで日本の公立校に行っていたから分かるが、学校では基本的に既に答えがある事しか教えないし、唯一クリエイティブなのは、音楽や美術、図画工作などの副教科、そして夏休みの自由研究ぐらいだ。実際自分もそれらが大好きで成績も良かったが、大学受験の採点対象になっていないが故に受験はことごとく失敗した。しかし、これからではそれらのスキルが仕事に最も役立っていくようになるだろう。。
そもそも本来は、機械が得意な事は機械に任せて、人間でしか出来ない能力を身につけなければならない時代になっているが、しかし、日本の教育システムではクリエイティブな答えは求められておらず、そもそもマークシート方式でクリエイティブな答えなど出しようがないし、逆に、上記の3つのスキルだけを持っていても、恐らく学校からはほとんど評価はされずに、劣等生としての認識をされるであろう。
クリエイティブ、リーダーシップ、起業家マインドを評価基準としていない現在の日本の教育システムでは、優秀とされている生徒や高学歴の学生が身につけている能力は、残念ながらこれから時間が経てば経つ程機械に取って代わられる可能性が非常に高く、おのずと、それらの能力が求められる仕事も無くなるだろう。それに対し、教育や受験に関するシステムが十分に追いつく可能性はまだまだ低い。
先日、センター試験でカンニング等の不正で無効処分になった学生がいたというニュースがあったが、実社会ではカンニングをしたり、裏技を活用出来るぐらいのセンスの人の方がむしろ重要である。個人的にも、暗記学習中心のくだらない受験勉強の為に貴重な10代の時間を費やすぐらいなら、ズルをしてでも点数を稼ぐ知恵を持った応用力のある人材の方に興味がある。
実際にアメリカの試験では電卓やパソコン、最近ではスマホを活用して答えを導きだす事も許されている。要するに使えるものは使って自分としての答えを導き出し、更に、答えは1つだけではない事も多い。クリエイティブな発想を求め、10人の生徒がそれぞれ別々の答えで、全てが正解とされる事もある。
今後、テクノロジーの進化が進めば進む程、クリエイティブな能力、リーダーシップのスキル、そして起業家の精神の3つがより一層重要になってくるのは間違いない。今後は日本国内からも世界に通用するようなクリエイターやリーダー、起業家を生み出さす仕組みを作らなければ、機械がどんどん仕事を奪い始めるであろう。
これらの課題に対し、当協会はイノベーションプログラムを通じて、日本企業向けに新しいイノベーションの創造と、クリエイティブ、リーダーシップ、起業家精神を身につけるプログラムを提供している。現在頑張って勉強している事、会得したスキル、今後のキャリア等、世の中から”優秀”だと評価されている事を今一度冷静に見直さなければならない。自分の未来は既存の仕組みの中からは絶対に生み出される事は無く、自分で創り出すしか生き残る方法は無いだろう。
【フリーランスWebデザイナーという職業が無くなる理由】
私が行っている「セールスライティング」という仕事はクリエイティブで、AIにはできないために将来は有望なのは皆さまご存知の通り。
ではフリーランスWebデザイナーという職業はどうなのだろう?
全ての事柄のデジタル化が進む中で、Webやインターネットの重要性が年々高まっている事は間違いないだろう。それに伴い、関連する業種や職業に対する需要が高まるのは必然と考えられる。例えばWebやアプリを製作する為のデザイナーやエンジニアは、紙媒体や組み込み型ソフトウェア向けのそれに比べても、必要性が格段に高いとされ、キャリアアップをする場合は新しい技術の習得が求められる。
その一方で、アメリカのサンフランシスコ、シリコンバレー地域では、”Web制作”をメインのビジネスとしている会社はかなり少ない。むしろ、数年前からビジネスのコアを変換させなければ生き残れない時代に入って来たと言っても間違いないだろう。
絶滅する?フリーランスWebデザイナーという職業
それでは、フリーランスのWebデザイナーはどうだろうか?Webが普及し、Webデザイナーという職業が出現してから約20年が経過、実は彼らも大きく分けてその理由は4つで、絶滅の危機に瀕する日も遠くは無いと考えられる。
Webチームのインハウス化
1990年代からWebは、企業におけるマーケティングチャンネルの一つであったが、これからはその中心になる事は間違いない。それに伴い、これまでは外部のエキスパートに委託して来たWebに関する業務を社内で進める方針にした会社は少なく無い。特にアメリカではどのような業種の企業でも、Webの重要性を理解しており、社内にWebデザイナー職を設けるのが一般的となっている。
特に最近はWebを取り巻くデジタルマーケティングの複雑性が高まっているので、フリーランスのWebデザイナー1人ではこなす事が難しくなってきている。例えばソーシャルメディア運用、オンライン広告運用、グロースハック、ユーザーエクスペリエンスなどの領域を包括的にカバー出来る専属チーム化を進めている企業も少なくは無い。デジタルマーケティング全般の業務を社内でまかなう事で、社内ナレッジの蓄積にも繋げるのも大きな狙いとしているのだろう。
プラットフォームの充実化
では社内にWebチームを置く事が出来ない規模の小さな企業はどうなるだろうか?最近は専門知識が無くてもそれなりに簡単にWebサイトの作成と運用が可能なプラットフォームの充実が進んでおり、その多くが、初期費用が無料かもしくは非常に安く、サイトの立ち上げも短時間で可能になっている。
シンプルなサイトであれば、それなりに見た目の美しいサイトを作る事が出来る。カスタム性を高めたい場合はWordPressを、eコマースであればShopifyなどのプラットフォームと、彼らが提供する高品質なテンプレートを利用すれば、技術に詳しく無くてもある程度まではサイトの構築が出来てしまう。
でも、これまでWebデザイナーをなりわいとしてきた人達からすると「そんな簡単に出来るものではありませんよ」と思うかもしれないが、しかし、子供の頃からデジタルに触れて育って来た若い世代の中には、Photoshop、HTMLやCSSぐらいであれば、問題無く使える人も少なくは無い。彼らにとってそれらは既に特殊技術ではない。
残念ながら、一昔前の大人が必死の思いで会得して来たWebに関する技術は、デジタルネイティブにとってみると読み書きと同じ感覚でしかない。そんな彼らからすると、プラットフォームがあればプレーンなサイトなんかは、涼しい顔でいとも簡単に作れてしまう時代なのである。
コーディングの自動化
Webサイトを作る際に、もっとも専門性が必要とされるのがコーディングでHTML、CSS、JavaScriptなどを中心として、サイトを複数のブラウザーやデバイスで問題無く表示し、ストレス無く稼働させるにはかなりの専門的知識が必要とされる…はずだったが、しかし、ここにも時代の変化は確実に訪れている。
以前よりWebオーサリングツールから自動的にページのコードを書き出す事は可能であったが、その多くは利用に耐えられないレベルであった。しかし最近では、MacawやAdobeReflowなどの自動コーディングツールが生成するクオリティが高まっており、手動にはかなわないものの、かなりのレベルのページ生成が可能になっている
そもそも、今の時代ではコーディング、特にフロントエンドのコーディングに関して手間ひまを掛けて、じっくり作り込む必然性よりも、なにかしら手っ取り早く動くプロトタイプを生み出す、”リーン型”のページ生成が主流になりつつあり、従って、コーディングの自動化が進む一方で、これまでの”職人的手作りサイト”の重要性は下がる一方である。
Webサイトの重要性の低下
意外と盲点なのがこれ。実はネットの普及が進めば進む程、実はビジネスにおけるサイト自体の重要性が下がって来ている。例えば外食をする際に、以前はレストランのサイトを見て行き先を決めていたが、最近日本では、ぐるなびや食べログなどのポータルサイトで検索する。そうなるとレストラン自身がサイトを持つ必要性が無くなってしまう。
また、情報を集めたいときも、一般的な情報サイトよりもGoogle上に表示される情報、Wikipedia、そして最近ではSiriなどのアプリを利用すれば目的を達成する事が可能になり、むしろ統一したエクスペリエンスを提供してもらえるので、個々のサイトを利用するよりも、スムーズなプロセスになる。
これまでは情報の見せ方やレイアウトにかなりこだわりページをデザインしていたニュース/情報系サイトも,キュレーションアプリにコンテンツだけ提供する状況になり、Webページ自体の重要性が下がって来ている。
APIやクラウドプラットフォームの進化がどんどん進む中で、この流れはより一層加速するだろう。これまでパソコンの画面に表示されていたページの情報は、様々な事なるプラットフォームに出力され、ページのインターフェース自体はほとんどどうでも良くなってしまうので、逆に考えると、モバイルやウェアラブルなどの複数のデバイスに対しの状況提供において、最も最適な利用体験を与える事がデザイナーの仕事となると考えられる。
僕たちは時代の変革期に立たされている
以前にも紹介した通り、アメリカでは、デジタルエージェンシーの相次ぐ買収が進んでいる。皮肉にも昨今のデザインやデザイナーの重要性が高まるにつれ、その特殊性が薄れる事で、フリーランサーとしての職業の終焉が近づいている可能性がある。
もしかしたら、近いうちに”Webデザイナー”という職業自体が消滅すれば、一つの役職が20年足らずで無くなる事になる。これは例えば、19世紀後半に発明されたタイプライターの出現により生み出された、タイピングを専門とする、”タイピスト”という職業が1910年頃から1980年頃までの間、70年ほど存在していた事から比べても、非常に短いライフスパンになってしまう可能性もある。
時代の変革期とも言える最近は、これまでとは比べ物にならない程速いスピードで物事が変化し、それに伴ってプロダクト、ビジネス、企業、そして職業にも大きな変革が必要とされている。数年前までは高い需要を誇っていた仕事が急激にコモディティ化する事も珍しくは無い。
特にデザイナーに必要とされる技術はその時々に利用される媒体やデバイス、そして解決すべき問題によって変化するため、デザイナーとして必要とされる能力としては、デザインの基本技術に加え、常に最先端の需要に対して最適な問題解決の提供であり、そこに必要とされる技術や考え方に対して臨機応変に対応していく必要があるだろう。
そして実は、今後はデザイナーに限らず、どのような職業でも常に新しい技術と知識を身につける事で、いかなるときにも急激な変化に対応出来なければならないし、特に今後はクリエイティブな考え方と、マーケティング的視点はどのような役職でも絶対に重要になる。それを踏まえ、優れたユーザーエクスペリエンスやブランドコミニュケーションを設計するのが、次世代のデザイナー、そしてビジネスに関わる全ての人々に求められる能力になるだろう。
【消える職業と生まれる職業】
機械学習などの技術の進歩によって、特徴量の抽出が可能になり、特徴量個人の検索データ、行動データを蓄積し、そのデータを使って最適な作業を機械でできることが増え、さらに、テクノロジーの進化により自分で考えて話すことができるパーソナルアシスタントが活躍できる場が増えてきている。
便利にはなるものの、仕事面で考えると進化する人工知能は将来、わたしたちの仕事を奪ってしまうのではないだろうか?
もし人工知能が自分の部下として配属される時代がきたら、自分はどのように指示を出し一緒に働くのであろうか?
「識別」「予測」「実行」
現在、機械学習をベースにしたAIの利用には主に以下の三つに分けられる。
(1)識別
・情報の判別・仕分け・検索(言語、画像ほか)
・音声、画像、動画の意味理解
・異常検知・予知
(2)予測
・数値予測
・ニーズ・意図予測
・マッチング
(3)実行
・表現生成
・デザイン
・行動の最適化
・作業の自動化
3つの利用用途を応用しているものを見ると、「識別」や「予測」の領域ではすでに一定以上のレベルでできているものが多く、一方で実行には至っていないものが多い印象であり、とりわけ、設計や枠組み化などのデザイン、行動や作業を単純化した状態での最適化、自動化に至ってはこれからの課題となる分野がまだ多いように読み取れる。
技術によって認識・予測はできても、その予測モデルの精度や予測可能な領域、実行をするためのスキーム、プロセス改善に課題が大きいことが技術の進化によって、近い将来にはその課題も埋まるだろうと予想されている。
機械と働く
人工知能やロボットの進化・発達で自動化が進み、これまで人が行ってきた仕事を機械が置き換えられる可能性が非常に高くなったことにより、「肉体労働」「単純作業」だけではなく「意思決定」を機械に任せる(委ねる)必要が出てくる。
それにあたって、経営資源はこれまで「人・モノ・金」だったが、AIの進化によって「人がどこで価値を生み出し、機械やデータにどの判断を任せるべきか」が問われるようになり、経営資源は「人・データ(情報)・機械」になっていくであろう。モノや金の必要性は消えないが、AIが意思決定をサポートする時代においてはそれらを管理するデータや機械に主体が移っていく可能性が高い。
その上で、人と機械を「どうマネジメントするか」も考える必要が出てくる。「マネジメントのあり方」は意思決定や実行をするために、これまでは「指示」や「実行管理」が主体であったものを、意図する解に導けるように「正しい問いを投げかけること」「AIやデータ領域を理解し、自動化をさせるために枠組み化をして回すこと」ができるようになる力が求められる。
キャリア
これからのキャリアでは、機械と働く上で、人々が持つ(機械が持ち得ない)3つ強みを磨くことが期待されるである。
クリエイティビティ(デザインする力)
課題の特定にいたる枠組みや新しいコンセプトをデザインすること、またアイデア、新しい組み合わせを着想(ひらめき)、通常では発想に至らない仮説を導き出す力などを指す。
リーダーシップ/マネジメント(人を動かす力)
人と人が行うデリケートかつ複雑なコミュニケーションを行い、人々を奮い立たせて勇気付け、人々をある目的に導き、目標を達成させるための意識付けるなど、意識に働きかけて人を動かすことを指す。
ホスピタリティ・課題解決
人が感じる潜在的・顕在的な課題と向き合い、自分ごととして不便、不満など「不=問題」を解決・解消するための働きを指す。
AIの進化・普及によりなくなる職業・新たに発生する職業も見逃せない。
<なくなる職業>
オックスフォード大学の論文で示された「あと10~20年でなくなる職業」の一部抜粋しており、「正確性を要求される」「単純作業・マニュアル化しやすい」「システム化することで計算、算出できる」職業はなくなる可能性が高いと言えるであろう。
また、「過去の判例を持ってくる」など訴訟に関連した情報を抽出することは人工知能が得意であり、リーガルにも影響がありそうだ。
<発生する、増加する職業>
なくなる技術だけではなく、人工知能が進化、浸透していく中で様々な課題、ニーズも出てくる。空飛ぶ機械「飛行機」ができた時に、パイロット(操縦する人)、整備士(メンテナンスする人)、税関(取り締まる人)、客室乗務員(サポートする人)、管制官(監視する人)などが生まれたように、近いポジション・役割が生まれるだろう。そういった関連するポジションの他にどんな職業がこの先に生まれるだろうか?について予想されているものを5つピックアップしていく。
・ロボット・アドバイザー(Robot Counselor)
ロボットの進化・普及によって、家庭においてもアシスタントとして働くのが一般的になっていることが想定され、ロボットが人間のアシスタントとして関わる過程で、トラブル・課題を各家庭や企業からヒアリングし、改善をするための働きや、逆にロボットの正しい向き合い方を普及させていくようなアドバイザーと言う役割を担う人が必要とされるであろう。
・企業文化のエキスパート(Company Culture Ambassador)
企業同士が、最良の人材を確保しようと競合することになる。そして、企業が才能を獲得し、彼らが「自分はいま、ふさわしい場所にいる」と感じさせるためには、それ専門の人材が必要となるだろう。担う仕事は、レクリエーションや金銭とは異なる利益によって人を楽しませ、コミュニケーションを取り、企業の価値観を伝え、それが共有されるようにして、仕事が楽しいという環境と雰囲気をつくり出すようになる。
・単純化の専門家(Simplicity Expert)
情報化社会で複雑化する事象を「単純化」すると言う課題・要請が増えていくことが想定される。あるプロセスの要点を見つけだし、合理化することで実行の時間を減らし、より価値の高い活動のために時間を残すために、複雑なことを整理し、単純化する専門家が必要になるであろう。
・輸送アナリスト(Auto-transport Analyst)
自動運転の発展・普及により、「運転手」がどんどん少なくなって、輸送はますます自動化されていくことが想定され、ここでも、適切に状況を判断し、配送を効率化すること、または問題を予防し不測の事態に対処しユーザーの不便をタイミング良く解決する管理者が必要になるであろう。
・マインドインストラクター(Mind Instructor)
人工知能や技術の進化によって、急激に変化する世界で価値観や自身の幸福を見出せない人が増えてくることが想定され、人々の顕在的、潜在的な意識を引き出し、「仕事のベクトル」「幸福度」「自分のあり方」など内面的な課題への解決ができる人を指す。近年GoogleなどIT系の企業でも導入が進んでいる「マインドフルネス」を今はインストラクターが主体として行っている。
一方でヘルスケアの領域でもパーソナルデータの分析やストレスケアのトレーニングが進んでおり、今後はそれらの領域を跨いで人々の心身の健康のために、定性的・定量的な情報から課題解決をすることができる人、技術を作る人が増えてくるかもしれない。
近年、人工知能に関連する記事や書籍を数多く見るようになり、ある種のバズワードのように人々に馴染みがある概念になってきた。日常生活、職場での環境、旅行先など、ありとあらゆるシーンで人工知能を用いたものが普及する未来はそんなに遠くないかもしれない。
一方で、人工知能の実態やそれを支える技術、歴史を学び、その影響を推測・予測し、自分のキャリアを考える人は(自分も含めて)まだまだ少ないように感じる。近年、エンジニアはもちろん、データサイエンティスト、人工知能の領域に精通した人材の不足はより顕在化した課題になってきた。一部ではデータサイエンス(特に機械学習)は、今後の理系学生はほぼ必修に近いような領域になるだろうとも言われているほど、注目・期待をされているものとなっている。
【コンテンツマーケティング】
最近、日本においてもコンテンツマーケティングという言葉が多く聞かれるようになり、コンテンツマーケティングに関する書籍も増えている。新しいSEOの手法だという人もいれば、ビジネスブログを書くことだ、バズるコンテンツのことだ、いやネイティブ広告のことだという様々な見解がある。人によって示す内容が異なることが多いコンテンツマーケティング。
コンテンツマーケティングとは何かを理解すると、
ブログや動画など特定のメディアに縛られた手法ではないということで、また、どんなコンテンツでもよいわけではなく、「適切で価値ある一貫したコンテンツ」点も重要だ。コンテンツマーケティングにおいては、明確に定義された見込客にとって、適切であり、価値があり、一貫性を備えたコンテンツであることが求められる。そんなコンテンツを作り、そして届けるための手法全体がコンテンツマーケティングなのだ。
ある概念として、コンテンツマーケティングを表現するとしたら、
コンテンツマーケティングとは、見込み客が誰かを明確に定め、その見込み客が抱いている疑問や関心事に対して、関係性が深く、適切な情報を提供することにより、見込み客を引き寄せ、買いたい気持ちを盛り上げ、見込み客が適切な商品を選ぶ手助けをするコミュニケーション戦略といえることができる。いきなり自社の商品やサービスをアピールしたり売り込んだりするのではなく、見込み客の購買支援を行うことにより段階的に関係性を深め、信用関係を構築して最終的に購買してもらうことを目的とする。
概念を読むと今更感がある。ではなぜコンテンツマーケティングが注目されるようになったのだろう?コンテンツマーケティングにおける基本的な情報伝達の仕組みを従来の広告と比較すると、コンテンツマーケティングの情報伝達の仕組みの革新性が見えてくる。
従来の広告においては、テレビCFにしても雑誌広告にしても、メディアが企画したテーマに興味を持って訪れた、視聴者、読者に対して、時間的、空間的に割り込んでメッセージを伝達するという手法がとられてきた。情報ソースが少ない時代であれば、この手法は強力であったが、現代の生活者はテレビを見ながらスマホを操作するなど断続的にコンテンツを消費しているため、常に忙しい状態であり、広告メッセージに反応する確率が低いだけでなく、広告が邪魔で迷惑な存在になっている可能性が高く、情報オーバーロードといわれるように、生活者は消費できる情報量の何倍もの情報に日々接しているといわれている。では生活者は全ての情報をシャットアウトしているのかというとそうではない。世界で最もアクセス数の多いサイトはgoogle.comで、生活者は、情報があふれているため、広告による情報提供は拒否するけれど、必要な情報は足りず、情報を求めて必死に検索をしているという奇妙な現象が浮かび上がってくる。
この事実を紐解いていくと、どうやら従来の広告ではない別のコミュニケーションが求められているのではないか?とも推測できる。
この解決策として、コンテンツマーケティングにおいては、生活者が日々探している情報が何かを理解することでコミュニケーションのきっかけを作り出し、一方的にメッセージを投げかけるのではなく、「企業が伝えたいこと」と「生活者が知りたいこと」のギャップを「適切なコンテンツ」で埋め、まず両者の関係性を構築することでコミュニケーションを成立させる。
マス広告は、割り込み型、売り込み型という一方的な側面があるが、コンテンツマーケティングの発想はこれとは異なり、情報を求めている人に対して適切なタイミングで適切なコンテンツを提供するという素直なアプローチになる。いきなり売り込むと拒絶されるが、商品を購入するための手伝いをすると最終的に売り込んでも喜ばれる。情報があふれる今日において、生活者を段階的に支援していくという姿勢は有効だ。「企業が伝えたいこと」と「生活者が知りたいこと」のギャップを「適切なコンテンツ」で埋めるという支援型のコミュニケーションで、生活者との信頼関係を構築し、購入支援を行う。これがコンテンツマーケティングの情報伝達構造になる。
従来の広告は、企業が伝えたいことを一方的に生活者に届けるスタイルであった。一方コンテンツマーケティングは、生活者が知りたいと思ったときに、それに答える適切なコンテンツを用意することで出会いのきっかけを作り、まず両者の関係性を構築することを目的とする。
適切なコンテンツできっかけを作り出すというコンテンツマーケティングのコミュニケーション手法がどのように行われるのかについては、事例を見るとわかりやすい。ぜひ、注意してサイトを見て行って欲しい。
【コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違い】
コンテンツマーケティングとよく混同される概念として、コンテンツSEOという考え方がある。コンテンツSEOは、良質なコンテンツを作成して検索順位を上げるというSEOの手法で、これは検索エンジンのアルゴリズムの変化に伴い、従来キーワードや被リンクなどで対応していたSEO対策の効果が薄れてきたために生まれた手法だ。言い換えると、コンテンツマーケティングの認知獲得施策の部分をSEOに利用した、あるいは、結果的に似てしまった手法といえる。
また、見込客の認知を獲得した後、段階的に購入まで導き、購入後も関係性を構築し続けるという点でもコンテンツマーケティングとコンテンツSEOは異なる。表層的には似ているが、根本的な部分では、コンテンツマーケティングとコンテンツSEOは別の考え方であるといえる。
コンテンツマーケティングでは、見込客がコンテンツと接触する度に段階的に購買プロセス上を進むが、コンテンツSEOでは知識が異なるそれぞれの見込客に別々のコンテンツを用意して待ち受ける形となる。
ではこのような、見込客を段階的に購買に結びつけるための適切なコンテンツをどうやって作成するのか、その手順について紹介しよう。
適切なコンテンツを作成し、見込み客を認知から購買に導くためには、「誰に」、「何を」、「どういう順番で伝えるか」を決める必要がある。
1.誰に伝えるのか
コミュニケーションで最も重要なのは誰に伝えるのかを明確にすることだ。伝える相手が違えば、伝える内容も伝え方も異なるからである。コンテンツマーケティングにおいては、誰に伝えるのかを明確にするために、まずペルソナを設定する。
2.何を伝えるのか
伝える相手が明確になれば、伝える内容も明らかになってくる。設定したペルソナ別に、どんな情報があれば惹きつけることができるのかを検討する。但し、見込み客視点だけでは、購買につながらない可能性がある。企業として伝えたいことが伝達できているかも確認する必要がある。つまりペルソナ視点と企業視点の2つの視点で何を伝えるのかを決める必要がある。
3.どういう順番で伝えるのか
「誰に」、「何を」が明確になったら、必要な情報を漏れなく伝えるために、どういう順番で伝えるのかを設計する必要がある。また、伝える相手によって適切な媒体を選ぶことも重要である。
以上の3つの要素を作業手順にブレークダウンすると以下の7ステップになる。
ペルソナ設定
ペルソナとは、セグメンテーショングループを代表する一人の人物象を詳細に記述したものだ。見込客を群で捉えるのではなく、ある特定の一人にまで人物像を絞り込んで考える。一人だけに絞り込むことで、ユーザーの抱えている困り事や問題がイメージしやすくなり、それを解決するためのメッセージ戦略やアプローチ方法が設計しやすくなる。
情報ニーズを把握する
ペルソナ別の情報ニーズを把握する。商品を欲しいと思った最初のきっかけは何であったのか。どういった検索ワードで検索したのか、最終的に自社の商品やサービスを選んだ選択基準は何であったのか等の情報を把握する。
カスタマージャーニーマップの作成
ペルソナ設定を行うことで、誰に、何をまでが明確になるが、時間軸のない静的な情報であるため、どういう順番で情報を提供したらよいかが見えてこない。これを検討するために利用するのがカスタマージャーニーマップだ。カスタマージャーニーマップを作成すると、認知から購入にいたるまでに、見込客がどんな情報を欲しているかを時間軸で確認することができる。
コンテンツマップの作成
カスタマージャーニーマップでどういう情報を、どういう順番で伝えるべきかが明らかになったら、その情報ニーズに答えるコンテンツをカスタマージャーニーマップに記載していく。
メディア選定
コンテンツ、つまり伝える内容が決まったら、それをどんな媒体あるいはフォーマットに載せたらよいのかを考える。同じ内容であってもペルソナによって動画で提供した方がよいのか、PDFで提供したらよいのかは異なる。ペルソナに合わせて適切なメディアを選定しよう。
CTAの設定
CTAとは、お客様に取ってもらいたい行動を呼びかける(CalltoAction)のことだ。例えば、メルマガを購読してもらう、カタログPDFをダウンロードしてもらう、というような行動喚起を意味する。
KPIの設定
CTAを計測可能な数値に置き換えたものがKPIだ最終的なビジネスゴールが達成できているかどうかを見ながら、CTAを改良し、そのパフォーマンスをKPIで計測し続けることで、ビジネスゴールと因果関係がある指標を見つけることが重要である。
コンテンツを制作するには時間とコストがかかるため、完成すると満足してしまい、これだけ良いコンテンツを作ったのだから、そのうち閲覧数も増えるだろうと何もしないケースが多い。
しかし良いコンテンツを作ってウェブサイトに掲載すれば、ただそれだけで見込客が集まってくるわけではない。良いコンテンツを機能させるためには、そのコンテンツの存在を見込客に知ってもらう必要がある。この活動を、コンテンツプロモーション、あるいはコンテンツアンプリフィケーションと呼ぶ。
コンテンツプロモーションを成功させるには、既にその企業と関係性が構築できている層、インターネット上で影響力のあるインフルエンサー層、まだ関係性はないが潜在的な見込客である層という3つの層に対してコンテンツを届け、コンテンツをシェアしてもらうことが重要だ。
企業が開設しているSNSアカウントをフォローしている、あるいは企業が配信しているメールマガジンに登録している層に対してコンテンツを配信しよう。BtoBでは、名刺交換等によって獲得したメールアドレス宛にコンテンツを送ることも有効だ。
インターネット上には影響力のあるインフルエンサーが多く存在する。インフルエンサー自身が、あるいは、そのフォロワーが自社の見込客に近い存在である可能性が高いならば、インフルエンサーと直接コンタクトを取ったり、新しいコンテンツを先に提供したりすることは重要だ。なぜならコンテンツが公開されると同時に、コンテンツをシェアしたり、コメントを書いたりすることができ、インフルエンサーとしての潜在的な欲求を満たすことができるからだ。
まだ関係性が無い層に対しては、先述の2つの層からの二次拡散を待つか、あるいは積極的に広告するという手段がある。コンテンツマーケティングを始めて一定数の購読者を獲得するまでには半年ほどかかるが、その時間を短縮するために広告を使うのは有効な手段で、もし広告を使うのであれば、後で使うよりも初期段階で使った方が、費用対効果が高い。
コンテンツマーケティングはアメリカで生まれた考え方であるため、当然ながらアメリカのウェブサイトを読んだ方が最新の情報を得ることができる。ぜひ、トライしていただきたい。
【ECサイトのコンテンツマーケティング】
集客と販売に貢献するハウツーコンテンツ
ECサイトにハウツーコンテンツを掲載することで、どのような効果を期待できるのか?大きくは集客増と販売増だという。細かく分けると以下になる。
1.見込み客の課題を解決できる
見込み客が抱える課題を解決してあげることで、サイトへの印象を良くすることができる。たとえ初回の訪問で購入に至らなくても、その後の購入につなげやすくなる。
2.検索結果画面で上位に表示することができる
購入につながり得る検索キーワードで、上位に表示することができる。これらのキーワードは、ロングテール寄りで競争が激しくないことも多い。
3.目的意識の高い見込み客を集客できる
検索経由で流入してくるユーザーは、何らかの疑問や課題を持っているはず。そのニーズを解決する手段として自然に商品を紹介すれば、購買につながる可能性が高くなる。
4.継続的な流入を見込むことができる
検索上位に表示されるコンテンツを作るには手間がかかるかもしれない。しかし一度上位表示されてしまえば、ある程度の間は自動的にユーザーを引き寄せてくれる。
5.専門家としての地位を確立できる
ユーザーの役に立つ専門知識を提供していくことで、商品やブランドへの信頼が増すだろう。
6.ユーザーによるシェアを期待できる
役立つコンテンツであれば、ユーザーにシェアされる可能性が高い。そうすればさらなる拡散を期待できるだろう。
7.動画であれば、検索結果におけるより高いクリック率を期待できる
ハウツーコンテンツは、テキストだけでなく動画で作られることも多い。検索結果画面において、動画はテキストよりクリックされやすい傾向にある。
8.販売につながる
ハウツーコンテンツによって、購買に導くことができる。例えば、ジーンズを検討しているものの、自分に合ったサイズが分からない見込み客がいたとする。体のどこを測ればぴったりのサイズを見つけることができるかなどのハウツーコンテンツを提供できれば、ジーンズの購入につながる可能性は高まるだろう。
【単なるお役立ち記事では不十分!成果につながるコンテンツマーケティングとは?】
「こうした従来のコンテンツマーケティングでは、もはや効果を期待できない」。
世の中にコンテンツがあふれている中で、単なる情報提供コンテンツを量産しても、ただの「ノイズ」として埋もれやすい。
単なる情報提供にとどまるコンテンツはマーケティングゴールを達成するには力不足な「単なるコンテンツ」(Content)に過ぎないという。
一方で課題解決を実現できるコンテンツを「リソースコンテンツ」(Resourcecontent)と呼ぶ。
「Resource」という言葉には「資源」や「資産」といった意味合いがあるが、課題解決に必要な「資源」となり得るコンテンツといったニュアンスがあるのだろう。
同じコンテンツでありながら、両者にはどのような違いがあるのか?著者が示す「リソースコンテンツ」と「単なるコンテンツ」を紹介しながらその差について明らかにしていきたい。
リソースコンテンツのポイント、それはユーザーの課題解決を起点としたコンテンツ制作
「リソースコンテンツ」とは、ユーザーの課題解決を第一に考えたコンテンツだ。一方「単なるコンテンツ」は、情報提供にとどまってしまっているため、ユーザーが抱える課題をうまく解決しきれない場合が多い。その差が販売増やリード獲得などの目的をうまく達成できるかの分かれ目になるとしている。
著者によると、課題解決を念頭に置いている「リソースコンテンツ」の優れた点とは、必要最小限のコンテンツでユーザーの課題を解決するだけでなく、目的のコンテンツを探しやすいよう、分かりやすくカテゴライズされていることだという。
「リソースコンテンツ」は、具体的にどのように展開されているのか。実例をいくつか交えてその特長を明確にしてみよう。
あるDIYのA社コンテンツが「リソースコンテンツ」として優れている点は、課題解決に必要なすべての情報を単一のコンテンツ内に収めていること。さらに目的のコンテンツを探しやすいよう、それぞれが適切にカテゴライズされていることだ。この2点が迅速な課題解決を可能にしているというのだ。
まずは一つ目の「課題解決に必要な情報を一ページ内に収めている」という点をみてみよう。一例となるのは、壁の塗装に関するハウツーページだ。
最初の工夫の一つが、冒頭に掲載されている動画だ。用途に応じた塗料や道具の選び方といった内容が3分で端的にまとめられている。ボリュームの大きいコンテンツに目を通してもらう前に、まずは動画で作業のイメージを伝えるという狙いだろう。
動画で概要を伝えた後には、作業前に必要な情報や準備を紹介している。
塗装のメリットや作業前の下準備などを記載したテキスト情報。壁を塗装することで生まれるメリット、塗料を選ぶときに考慮したいポイントなど、充実したテキスト情報が続く。「事前に準備すること」「安全確保のためのポイント」「DIYでの節約のコツ」など項目を立てることで、飛ばし読みがしやすいように構成されているのもポイントだ。
次に紹介されているのは、準備する道具や材料。塗装に必要なツールが一覧で紹介されており、何を購入しなければいけないかが一目瞭然だ。
一つ一つの項目をクリックすると該当する商品ページにリンクし、A社のECサイトで簡単に購入できるようになっている。この部分が売上の要となるわけだが、道具や材料を揃えてDIYを行うことのメリットをここまででしっかりと語っているため、商品ページでの購入率も高まることが予想される。
最後はハウツーをわかりやすく説明した動画だ。
塗装前の下準備から塗装のコツまで、9つの各ステップを動画とテキストで説明している。
ここでのポイントは2点。
一つは、動画をいくつかのプロセスに分割していること。一本にまとめてしまうと、ターゲットが確認したいプロセスにたどり着くのが非常に困難になる。動画を短く切り分けることで、ターゲットが確認したいプロセスをすぐに見つけられ、何度も繰り返し見ながら作業をすることができるようになる。
もう一つは、動画の内容を文字情報でも掲載していること。環境によっては動画を確認しながら作業することが難しいケースもあるため、印刷して確認できるように、との心配りが感じられる。
このように、ターゲットの課題を解決する情報が1ページ内にきっちりまとめられているため、ユーザーは必要な情報を求めて複数のページを探し回る必要がない。
次にサイト設計。同サイトでは、「キッチン」や「照明」などといったカテゴリーの中に、「DIY」や「購入ガイド」などといった目的別にコンテンツが収まっている。ユーザーニーズに沿った構造になっていることで、探している情報にストレスなくたどり着けるようになっている。
より情報ニーズが高くアクセス数の多いカテゴリーはトップに画像とともに表示。その他のカテゴリーについてもページ左部のナビゲーションから簡単にたどり着けるようになっている。
課題解決の視点が欠けたB社のコンテンツ
次に課題解決を念頭に置いていないために、「単なるコンテンツ」にとどまってしまっている例を紹介する。
ここで説明するB社は、アメリカとカナダで店舗展開しているホームセンター。住まいのリフォーム・メンテナンス関連商材や家電を扱っている。
一見して先のA社と同様、B社のホームページにも商品情報だけでなくハウツーやアイデアが充実しているように見える。
たとえばハウツー関連のコンテンツがまとめられた「Library」には、収納計画の立て方、トイレの修理方法、芝生の管理方法、家具の塗り替えテクニック、星条旗の飾り方など、さまざまなターゲットニーズを満たすためのコンテンツが豊富に用意されている。
しかし、ユーザーの課題をうまく解決できていないため「単なるコンテンツ」になってしまっているのだ。
まず、必要な情報にスムーズにたどり着くことが難しい。コンテンツがある程度カテゴライズされているとはいえ、その分類方法がユーザー視点ではないためだ。
たとえば「ブログ」「クリスマス」といったあいまいな分類名からは、自身の課題を解決できるコンテンツの有無を判断することが難しい。
コンテンツが多すぎる点も問題だという。たとえば庭に関するコンテンツだけでも1、000本以上の記事がある。これではターゲットが探している課題解決方法にスムーズにたどり着くのは至難の技だ。
また苦労してコンテンツにたどり着いた後にも問題がある。画像や動画も駆使して分かりやすいコンテンツを手掛けたA社と異なり、テキストのみのコンテンツが多いのだ。
別のあるコンテンツでは、ベビー服の収納法や、適切なフローリング、ペットの扱い方まで、幅広い情報が並べている。
しかし単なるテキストでの説明のみにとどまっている。
画像や動画などを活用してわかりやすく伝えることも、効果的な課題解決を実現する大切なファクターとなることを覚えておきたい。
さらにそのテキストでの説明も不十分であるようにみえる。「快適な家」とは何で、それぞれの項目がどう貢献するのかといったつながりが説明されていないため、断片的な情報の羅列にとどまっているからだ。根本的な課題解決につながっているかという点においては、力不足だと言わざるを得ない。
「リソースコンテンツ」は記事だけではない、ランニング体験を充実させるNike+
AB両社の実例比較では、ターゲットの課題解決を念頭に置いているかどうかが、「リソースコンテンツ」と「単なるコンテンツ」の違いだと解説した。
だからユーザーの課題解決を実現できていれば、形式はWeb上の記事に限らない。違う形の優れた「リソースコンテンツ」の実例として、「Nike+」の例も紹介している。
Nike+は、ランニングしたルート・距離・時間・ペース・消費カロリーなどを表示・記録できるソーシャルプラットフォームだ。
スマートフォンなどで個人データを管理するだけでなく、コーチからのアドバイスを受けたり、SNSで自身のアクティビティをシェアしたりと、さまざまな楽しみ方ができる。
幅広いコンテンツのベースになっているのは、ユーザーの課題解決にフォーカスした姿勢。この場合のユーザーが抱える課題とは、「ランニングを続けるためのモチベーションの維持が難しい」ということ。
そこでNike+が掲げる課題解決のテーマが、「ランニングのプロセスを記録・共有することで、モチベーションを維持し、よりよいトレーニングを行う」だ。
もしこのような明確なゴールがなければ、課題の一部分を断片的に解決するコンテンツにとどまり、今のようにユーザーの課題に対して根本的に応えるサービスにはなっていなかっただろう。
またこのサービスは、エンゲージメントから購入までをスムーズにつなげることができる点でも優れている。
Nike+を愛用していくうちに、よりそのサービスを追求したいという思いが生まれ、ランニング時間を記録できるSportWatchなど、有料のNikeFuel商品の購入につながることが期待できる。
「リソースコンテンツ」の成功要因とは、ユーザー視点での課題解決策の提供と、企業視点での販売戦略をうまく融合させている点ではないだろうか。
ユーザー視点になりすぎても感謝はされるが、販売に結びつかないことがある。また企業視点になりすぎると、コンテンツ自体が読まれなくなる。このバランスを取ることが重要で、こうしたバランスを思いつきで作ったコンテンツやサイトで取ることは難しく、あらかじめ綿密にシナリオを練る必要がある。それが、このサイトで繰り返し触れてきたコンテンツ戦略の重要性だといえるだろう。
【コンテンツマーケティングの成功の秘訣はコミットメント】
コンテンツマーケティングによるリード獲得に向けて、最初に重要なのは質の高いコンテンツ。ブログ記事の75%はリンク数がゼロだと言われているが、そんなサイトでも必要な要素を盛り込むことでリンク獲得につながるコンテンツを作れるという。被リンク獲得に強いのが調査結果と強い意見を主張したコンテンツだ。
この場合の「強い意見」の例として紹介したのはコンテンツショックだ。
また被リンクを増やすためには、インフルエンサーとつながることも重要だという。ブログでつながった人たちをコンテンツの中で紹介してあげることで、自社コンテンツが拡散される可能性が高まるという。この施策を「人のエゴを使った誘惑」と呼んでいる。
次に検索結果の上位を獲得するためのコツだが、まずはキーワードに紐づく疑問に答えることが大前提となる。最初は自社サイトのSEO力を示すスコアをツールによって確認した上で、勝てる範囲の競合がいるキーワードを狙うべきだという。
検索上位に表示させた後に重要になるのが、コンバージョン施策だ。ある調査によると、長文コンテンツのほうがコンバージョンに有利だという。記事の量が20倍長くなると、コンバージョン率が30%上がるというのだ。
コンテンツマーケティング自体はもともと昔からあった手法で目新しいものではない。アメリカではすでに手法が確立され始めているため、いかに地道に実行するかが重要になるということだろう。
【インテリジェントコンテンツ】とはどんな考え方か?
という苦い経験を持つマーケターも多いのではないだろうか。ターゲットのニーズに合わせて有益な情報を送り分けることを重視するコンテンツマーケティングにおいて、ターゲットが受け取りやすい形でコンテンツを発信することは非常に重要だ。そのためには、先行して作ったコンテンツをいちど分解し、媒体やデバイスごとに再構築していくのが現状の主流といえるのではないだろうか。しかし、この再構築には時間と手間がかかってしまい、スムーズなコンテンツ展開の妨げになる、という問題も孕んでいるのも事実だ。
そこで、このコンテンツの“つくり方”の発想自体を変えよう、と問題提起するのが今回紹介する「インテリジェントコンテンツ」という考え方だ。「インテリジェントコンテンツ」とは、コンテンツの受け取り方が多様化し今まで以上にいろいろなデバイスや媒体で消費されるようになった現状に対応するためのフレキシブルなコンテンツづくりの考え方である。
インテリジェントコンテンツが持つ5大要素とは?
インテリジェントコンテンツには次に挙げる5つの性質を備えている必要があると定義している。
■1.コンテンツが部品化されていること
コンテンツを構成する各要素が、再構成の際に「部品」として使えるよう、汎用性つまり使い回しやすいよう整理されていることが重要。たとえばあるコンテンツをベースに別のコンテンツを開発しなくてはならない場合、基本的な作業がこの「部品」を組み合わることになるので、それぞれの作業における効率が向上するといえるだろう。
■2.コンテンツが構造化されていること
部品化された一つひとつのコンテンツ要素が、コンピュータが情報を理解し正しく再構成できるように、たとえば「商品名」「商品画像」「短い商品概要」「企業ロゴ」など情報同士の関係が構造化されていることが重要。各部品について、何について述べられたものなのか、どういう結果を期待したものなのか、その部品に関連性のあるものが他にあるかどうか。そういった情報を整理して構造化しておくことが正しい再構成の鍵となる。
通常、コンテンツの冒頭に商品名やその写真、概要情報などがあって然るべきだが、ケーススタディの場合は商品情報よりも商品によって得られたベネフィットを読み手は知りたがっていると考えるのが自然で、そのためホワイトペーパーとケーススタディのコンテンツ構成は異なる。このようにたとえ構成が異なるコンテンツへ再構築する場合でも、コンテンツを構成する一つひとつの部品についてどういったカテゴリに分類されるものなのかを整理しておくことで正しく、そして効率的に再構成することができるようになる。
つまり、ホワイトペーパーとケーススタディではコンテンツの構成が異なる。
■3.既存コンテンツが利用しやすいつくりであること
デバイスに合わせた新たなコンテンツづくりのために、既存コンテンツが再利用しやすい構造になっていることも重要だ。コンテンツ再利用の手法としては「手作業でのコピー&ペースト」が一般的だが、ペーストする場所を間違えるなどの初歩的なミスの可能性がある上、情報のアップデートが煩雑になったり、情報ソースを忘れてしまったりということもあり、良い方法だとは言えない。
そこでおすすめしている方法が「AutomatedReuse(自動引用)」だ。引用元となるコンテンツを一箇所に格納しておき、引用先のコンテンツからも参照できる設計にしておくのだ。そうすることで引用元が一元化され最新情報へのアップデートの手間もかからない。
■4.フォーマットの順応性が高いこと
Webページをワードファイルにそのままコピー&ペーストしようとしたのに、フォントの色が変わってしまったり、フォーマットが崩れてしまったりする原因は、画面上表示されないデータがあり、それがそのままコピーされてしまうためだ。表示をコントロールする情報は私たちには見えないが、コンピュータには見えている。コンピュータの力を借りて自動的にコンテンツの部品を組み立てるためには、こういった「人間の目に見えない部分」にも配慮しておく必要があるのだ。
どんなフォーマットになっても正しい表示スタイルでアウトプットされるシンプルなものにしておくため、各々の部品に不要なタグが付いていないかをチェックしておくことも大切な要素となる。
■5.“意味優先”のタグがつけられていること
“4”では、デバイスごとのアウトプットへの汎用性を持たせておくために「不要な情報を取り除くこと」に触れたが、一方でむしろ加えておきたい情報もあり、それは、部品ごとにそれぞれが持つ“意味”を正しく理解した上での定義付けだ。ありきたりなタグを使い回したり、表面的な言葉でタグを設定したりするのではなく、コンテンツの文脈を理解した上で真の意味・意図を定義付けすることが重要だという。そうすれば、コンピュータがデバイスに合わせて既存コンテンツを適切に抽出しやすくなる上、マーケターがどのようなコンテンツに再編集するか考える際のヒントにもなりうる。
例えば医薬品業界の場合、働きかけるべきターゲットは「消費者」とは呼ばれない。医師とするのが一般的だ。このように商材や業界によって部品名は多様に変化する。だからこそ、一般的な「言葉」ではなく、その業界背景から「意味」で考え、しっかりと分類しておくことが重要だ。
1つのソースを5つの媒体に展開!
セッションではインテリジェントコンテンツの実例として、書籍・eBook・Web・フラッシュカード(情報カード)・オーディオブック(音声媒体)の5媒体での展開を成功がある。ではどのようにインテリジェントコンテンツの手法を実践したのだろうか。
■1.コンテンツを要素に分けて整理する
まずは原型となるコンテンツづくりだ。「テーマ」や「概要」、「著者紹介」といった“部品”に分けるため、構造を整理して情報を割り振っていく。
発信するコンテンツを「時期」「定義」「一番主張したいこと」「ボディーコピー部分」「外部リンク」「著者」「著者紹介」…など細かな項目に分け、情報を整理していく。この作業により、“規格化された部品”づくりが可能になる。
■2.媒体ごとに必要な要素を洗い出す
どの媒体でどの部品を使えばいいのか、コンテンツの再利用マップをつくり整理する。Webでは全情報を網羅するが、書籍では外部リンクは不要、フラッシュカードは概要のみ……など、媒体の特性を考慮しながら取捨選択をする。
必要な媒体をピックアップし、それぞれの媒体に必要な部品を抽出していく。情報掲載量の少ないフラッシュカードは要点だけにする、「書籍」よりも「eBook」の情報を充実させコンバージョンを狙うなど、媒体の特性を考えて一覧化していくことが重要。
■3.媒体ごとの要素の配置を決める
媒体ごとにコンテンツの流れを決める。あとは部品を設定した流れに従って配置していくことで、各媒体への再構築が完了する。
読みやすさを考慮しながら、媒体ごとに部品の配置関係を設定していく。適切な配置を決めるのには時間と手間がかかるかもしれないが、一度決めてしまえばそれ以降の展開は非常にスピーディだ。
一つのコンテンツを部品に分け、別のコンテンツへと生まれ変わらせる。インテリジェントコンテンツの考え方を活用して既存コンテンツを生まれ変わらせることで、新たな価値が生まれる。
2017年以降このインテリジェントコンテンツの議論が活発化していくことが予想される。
【コンテンツマーケティングで役立つペルソナ設定】
ターゲットが商品を認知し、購入にいたるまでに必要な情報が何かを知ることによって、作るべきコンテンツを見極める。これがコンテンツマーケティングにおけるペルソナの最も大きな役割だ。
企業によるメッセージやコンテンツを受け取った消費者が、あたかも自分のために用意されたのではないかと感じてしまう。それほど消費者のニーズに刺さるコンテンツを作るには、彼らを深く理解することが不可欠となる。
そこで、マーケティングにおいてターゲットとなるユーザー像を明確にするために、不可欠な手法がペルソナだ。
ペルソナとは、「ターゲットとなるユーザーを代表するひとりの人物を詳細に記述したもの」と定義でき、「20代の独身男性」「趣味が旅行」といったユーザー群ではなく、特定のひとりにまで人物像を絞り込むことがポイントとなる。
ペルソナを用意することで、見込み客像が無味乾燥なデータの塊ではなく、人格を持った人物として具体的に把握しやすくなり、それによって彼らが抱えている問題や解決策をイメージしやすくなる。
一方でペルソナについては、疑問や懸念もつきまとう。たとえば「どんな情報を盛り込むべきか分からない」「特定のひとりに絞り込んでしまうことで、ターゲットを極端に狭めてしまうのではないか」といった声をよく聞く。
こういった点も踏まえつつ、コンテンツマーケティングで役立つペルソナの作成方法について解説する。
ペルソナ設定のコツは「共通点」を見つけること
ペルソナに盛り込む人物情報と一言でいっても、性別や職業、家族構成、趣味、居住地など多岐にわたり、その気になればいくらでも書き込めてしまうため、的確に情報を絞りこむにはコツが必要となる。
そこで、ポイントとなるのは「ターゲット層にみられる共通点」で、これをうまく盛り込むことで、彼らの特徴を適切に表したペルソナが出来上がる。
反対に一部の人にしか見られない特徴を強調したペルソナにしてしまうと、極端に絞られた人を表してしまう恐れがある。
「共通点」として盛り込むべきターゲット情報
それではターゲット層にみられる「共通点」とは、具体的にどういった要素を指すのか?
先にも述べたように、ターゲット層の共通点を盛り込む目的は、彼らの特徴を適切に表したペルソナにするため。
だが、ターゲットの特徴というと、性・年代や職業といった属性情報に目が行きがちになるが、しかし属性情報だけのペルソナは、コンテンツマーケティングでは役に立たない。なぜなら作成するコンテンツを洗い出すために必要な要素、すなわちターゲット層の情報ニーズが入っていないからだ。
ターゲットが商品を認知し、購入にいたるまでに必要な情報が何かを知ることによって、作るべきコンテンツを見極めなければならない。これがコンテンツマーケティングにおけるペルソナの最も大きな役割といえる。
情報ニーズがペルソナの骨格であり、性・年代などの属性情報は、あくまでその人物をイメージしやすくするための肉付けに過ぎない。
ペルソナの9要素
この場合の情報ニーズとは何かを説明するにあたってはペルソナに盛り込むべきポイントに情報ニーズを洗い出すために必要な項目がいくつか含まれている。
1.日常生活のシナリオ
ターゲットの日常生活を記述することで、彼らの視点で物を考えることが容易になるだろう。ペルソナが今にも語りかけてくると思えるほどに、人物像をイメージしやすくすることが重要だという。
2.具体的な目的
ペルソナが何を達成したいかを明らかにすることで、彼らを手助けするために必要なコンテンツを洗い出せる。
彼らの目的を記述する際は、「売上を増やす」といった漠然としたものではなく、「商品化までの期間を短縮したい」といった具体的なものに落とし込むべきだ。
3.主な課題
課題を記述する際も、同じく具体的に書き出すことが重要で、たとえば「商品化までの期間を短縮したい」というゴールでの課題を具体的に書くならば、「作業の自動化が不十分なことによって、商品化が1ヶ月遅れている」という具合になるだろう。
4.仕事への姿勢
“結婚していて2人の子供と犬がいて郊外に在住。年収は1000万円”といった月並みなペルソナがあまりにも多すぎる。こういった情報は住宅や自動車を販売する時であれば役立つかもしれないが、多くの場合役には立たないという。
それよりもペルソナの職業や仕事への姿勢を盛り込むほうがより人物像が明らかになるため、作るべきコンテンツや、彼らとの関係を深めるためのコミュニケーションを洗い出すのに役立つとしている。
5.購入障壁
一般的に購入障壁というと価格がよく挙げられるが、購買を妨げている要因を購買ステップごとに細かく洗い出す必要があるという。たとえば「配偶者を説得するには?」「もし従業員が新しいワークフローを受け入れてくれなかったらどうしよう?」といった具合だ。
6.購入までに生じる疑問
購買ステップごとに生じる疑問を書き出す必要がある。
「なぜこの商品が私にとって重要なのか?」「目的を達成するために、この課題をどう解決するべきか?」といった疑問を適切につないでいくと、一つの購買ストーリーが出来上がるはずだ。
7.コンテンツの好み
ターゲットによるコンテンツの好みを明らかにする。ここでは次の5つが含まれる。
- チャンネル
- SNSの使い方
- コンテンツのトーンやスタイル
- コンテンツのフォーマット
- 情報収集方法
8.よく使う検索キーワード
商品やブランドを表す直接的なキーワードだけでなく、一般的な疑問に関するキーワードも含まれる。一般的に人々は会話の中でよく使う言葉を検索キーワードとして入力する傾向がある。そのため顧客や見込み客との会話で、有効なキーワードのヒントを探ることも重要。
9.購買に至るまでのシナリオ
ターゲットが購買に至るまでのシナリオを具体的にすることで、コンテンツをより有効に活用できるようになる。つまり登場人物(ペルソナ)が購買に至るまでにどんな疑問を持ってどのように行動したかという一連のストーリーを洗い出すと、必要なコンテンツとその組み合わせ方が明確になる。
ターゲット情報をより整理するために、シートを作るのも良い。情報ニーズとして「購入動機」「初期の不安」「検索キーワード」「情報収集時の障壁」「比較検討時の障壁」「購入を決めた理由」の6つを入れているほか、彼らの購買行動を表す項目なども加えている。
コンテンツマーケティングはチームで進めることが一般的なので、作るべきコンテンツや運用方法などについてメンバー間の意見が分かれるといった事態が起きても、ファクトに基づいて適切に作ったペルソナがあることでメンバー間の認識を合わせることができるだろう。施策をスムーズに適切に進めるためにも、ペルソナは欠かせない手法です。
またペルソナを一度作ったら、それで終わりではなく、結果に合わせてペルソナを改良していくなど、使っていくという姿勢が重要だ。
一度作って後で振り返ることもないという使えないペルソナではなく、使えるペルソナを作って活用してほしい。
【読者の期待に応じたコンテンツの作り分け】
どのチャネルからの訪問者にコンテンツを閲覧してもらうのか。それによってコンテンツの作り方や評価指標は変わってくる。今回は海外の事例を引き合いに、検索向け・SNS向けコンテンツの違いを紹介する。
集客やコンバージョンなどを目的とした記事を書いたが、成果につながらない。コンテンツマーケティングでありがちな失敗だが、原因は何だろうか?
「記事の質が低かった」「コールトゥアクション(CTA)が不適切だった」など様々な要因が考えられるが、その前のステップである設計段階に問題があることも意外と多い。
つまりどのチャネルからの訪問者に閲覧してもらうかをあいまいにしたまま、コンテンツを作成してしまっていること。
たとえば検索経由での流入を増やすのか、SNSでのシェアを獲得するのかによって、記事の作り方は全く違ってくる。これは後述するように、検索経由とSNS経由でサイトを訪問する人たちでは、コンテンツへの期待が大きく異なるからだ。
だから記事を執筆する際には、主な流入元となるチャネルを決めた上で、そのチャネルから訪問してくる読者の期待に沿った方向性を事前に考える必要がある。
それでは検索向けコンテンツとSNS向けコンテンツの違いとは何か?またそれぞれのコンテンツによる成果はどのように計測するべきなのか?
検索向けコンテンツとSNS向けコンテンツの違い
ニーズが顕在化している人が訪れる検索向けコンテンツ
検索向けコンテンツを訪れる人は、自ら検索キーワードを打ち込んでいることから、すでに疑問がある程度明確になっている状態といえる。
だからその受け皿となる検索向けコンテンツの役割は、情報の提供や教育によってこの疑問を解決してあげることになる。
検索キーワードという形で現れた疑問を的確に解決するためのポイントは、キーワードの言葉尻に振り回されるのではなく、その裏にある検索者の本質的な意図を把握すること。
彼らの欲求は、キーワードを構成する言葉から読み取れる場合が多い。たとえば検索者の意図ごとにキーワードを整理していくと、次の3つに集約できるだろう。
1.情報を集める時に使われるキーワード
1~2つ程度のキーワードで構成されることが多い。「夕飯 レシピ」「インテリア 実例」「コンテンツマーケティング 戦略」など。
2.Naviキーワード
閲覧したいサイトやブランドが決まっている場合に使われるキーワード。「Facebook」「iPhone」「Amazon」など。
3.アクション・キーワード
購買や登録をはじめ、何らかの行動を起こそうとしている時に使われるキーワード。「靴 通販」「フィジー 格安航空券」「音楽 ダウンロード」など。
3つの意図ごとにキーワードを分けることで、購買プロセスにおける検索者の現在位置を把握できる。こうすることによって、購買に導くために適切なコンテンツを見極めやすくなる。
たとえば仮に商品のブランド名で検索している人をターゲットにコンテンツを作る場合、購買プロセス初期で情報収集をしている段階の情報を集める時に使われるキーワード、もしくは購買一歩手前のアクションにいる検索者を想定する場合が多い。
「情報を集める時に使われる」のキーワードで検索した人は、購買熟度は高まっていないものの、将来その商品を選んでくれる可能性のある人たちだ。そのためブランドイメージを向上させるようなコンテンツの提供が中心になる。
一方「アクション」キーワードの検索者であれば、具体的に購買を検討している人である可能性が高い。そのため彼らの検討を手助けし、購買に向けて後押しできるコンテンツが望ましい。
興味本位の人たちが訪れるSNS向けコンテンツ
すでに疑問が明確になっている人の受け皿となる検索向けコンテンツに対し、SNS向けコンテンツを訪れる人たちは、必ずしも何か知りたい情報や目的を持っているわけではない。FacebookやTwitterなどのタイムラインで、偶然コンテンツを目にした結果、訪問してくるケースが主だからだ。
彼らは特定の疑問を解決するためにSNSを使っているわけではない。友だちや気になるFacebookページの情報をチェックしたり、コミュニケーションを楽しむためにログインしている。つまり何も欲しいと思っていない、もしくは自分の欲求に気づいていない状態の人たちなのだ。
そんな彼らがSNSでコンテンツをクリックする動機は、「これはなんだろう?」という程度の興味本位である場合が多いだろう。
こういった特徴を考慮すると、SNS向けコンテンツの強みとは、まだニーズが顕在化していない、もしくは検索キーワードでは表しにくい疑問を持った見込み客と接触できる点だといえる。
購買意識における役割
訪問者による期待や、求められる役割が異なる検索向けコンテンツとSNS向けコンテンツ。この違いを購買意識に当てはめて整理すると、次の図のようになる。
まずファネルの最上部にある「(認知)」。この段階で効果を発揮するのがSNS向けコンテンツだ。先に説明したように、ニーズがまだ顕在化していない人たちと接触しやすいため、ブランドや商品の認知向上に役立つ。
ただ一方で、商品によっては直接売上につなげにくいコンテンツでもある。たとえば耐久消費財のように購買に至るまでにある程度の検討が必要な商材の場合、SNS向けコンテンツによる認知だけでは足りないだろう。
すでに認知している人による検討の促進や、特定の疑問の解決は、検索向けコンテンツの得意領域だ。意識でいうと、下部の「自分ごと化」や「コンバージョン」をカバーしている。
認知前の見込み客に効果を発揮するSNS向けコンテンツと、認知後に使える検索向けコンテンツ。どちらがより重要だということではない。コンバージョンの達成に向けて、適切に組み合わせて使うことがポイントだ。
次からは、2つのコンテンツの具体例をみていきたい。
検索向けコンテンツとSNS向けコンテンツの具体例
検索向けコンテンツとSNS向けコンテンツの違いを知るために、ちょうど良い事例がある。2015年のはじめに英語圏でバズった、クアッカワラビーに関する記事だ。クアッカワラビーは、別名クオッカとも呼ばれる有袋類の動物で、オーストラリアに棲息している。
事の始まりはBuzzfeedなどのバイラルメディアによる記事。複数のメディアが、クオッカと一緒に写った観光客たちの自撮り写真をまとめて掲載したのだ。
笑っているように見える愛らしいクオッカの姿が人気を呼び、一連の記事は瞬く間にソーシャルメディア上でシェアされた。最も人気だった記事のシェア数は、約14万にも上ったという。
ここからが本題だ。
「クオッカとの自撮り」というトピックがここまで人気を博したにもかかわらず、バズから数か月経っても、キーワード「Quokka」の検索結果上位にこの話題に関するページが現れなかったのだ(2015年11月現在)。
今回参照した記事の著者によると、検索結果の8ページ目にようやく1本見つかった程度だったという。
これは何を意味するのか?
まず言えることは、ソーシャルメディア上でバズったからといって、必ずしもGoogleでの検索順位が大幅に上がるとは限らないということだ。
ここに検索向けコンテンツとSNS向けコンテンツの違いを垣間見ることができる。
SNS向けコンテンツは、人々の興味を引くようなユニークなトピックであればシェアされるが、検索順位の基準はそうではない、もしくはそれだけではない。すでに疑問が顕在化しているユーザーを相手にしているため、その疑問に対して適切な内容であるかが重視されるのだ。
実際に当時の検索結果の1ページ目に表示されていたコンテンツは、次のようなページだった。
- クオッカに関する基本的な説明(Informational)
- クオッカに関するニュース(Informational)
- クオッカと関連するビジネス・観光地情報(Transnational)
こうした結果から、検索向けコンテンツとSNS向けコンテンツでは、求められるコンテンツの役割が大きく異なるといえる。だから1本の記事によって、検索結果の上位表示とSNSでのシェアの両方を達成することは、簡単ではないだろう。
そのため冒頭で説明したように、記事を書く前にどちらの方向で作るか決めることが重要なのだ。
検索向けコンテンツとSNS向けコンテンツの評価指標
それぞれのコンテンツを作成・発信した後は、具体的な指標によって成果を評価する必要がある。評価指標というと、売上やリードの獲得数といった最終コンバージョンを思い浮かべがちだ。
しかしこのような指標だけでは、コンテンツマーケティングの取り組みを正確に測ることはできない。コンテンツマーケティングの役割とは、潜在顧客を段階的に購買に導いていくことであるため、認知獲得や自分事化といった中間コンバージョンも併せてみていく必要があるのだ。
今回参照した記事では、検索向けコンテンツとSNS向けコンテンツの評価指標の一例が紹介されていたので、参考にしてほしい。
検索向けコンテンツとSNS向けコンテンツの評価指標例
このように最終コンバージョンに加え、中間コンバージョンも明確にすることで、取り組みをより包括的に評価することができる。各ステップでの現状を数値で把握できるため、ボトルネックも発見しやすい。改善に向けたPDCAをより効果的にまわすことができるようになるはずだ。
一つのコンテンツに対して、検索とSNSの両方からの集客を期待してしまう、もしくはどちらのチャネルから集客するのかあいまいにしたまま制作してしまう、という失敗は少なくないだろう。
しかしこの記事で説明したように、受動的に情報を受け取るSNSユーザーと、能動的に情報を求める検索ユーザーでは、求めているコンテンツが異なる。
そのため思い切って2つを作り分けられるか考えてみてはどうだろうか。たとえばある商材をSNSと検索の両方で訴求するならば、思わずクリックしたくなるキャッチーなトピックのSNS向けコンテンツと、特定の検索キーワードと関連している疑問を解決する検索向けコンテンツといった具合だ。
こうした異なる役割のコンテンツを組み合わせることで、見込み客を段階的に購買に導くことが重要だ。